中学校で不登校でも、高校進学は可能

保護者

みなさんはもし自分のお子さんが不登校になってしまったらと考えたことはありますか?娘のお友だちの保護者の方から「うちの子が何日も登校できていない」と相談されているんですよ

保護者

学校の授業が受けられないと学力も下がるでしょうし、進学、就職と将来が心配になりますよね。それに、高校受験には中学校の出席日数や内申点が重要になると聞きますし。

保護者

確か不登校というのは定義上30日以上の欠席と聞いたことがあります。

教室長

そうです。30日が目安になるのですが、その中でも数日おきであれば登校できる生徒さんもいますし、まったく学校に行けない生徒さんもいます。欠席が多く、定期テストも受けられない状態だと、内申点も厳しい状況になってしまいますね。

保護者

不登校になってしまった中学生は、高校に進学できないんでしょうか?

教室長

いえ、進学できないということはありません。近年は不登校の生徒さんを積極的に受け入れている高校もありますし、入試の際に出席日数を考慮しない高校もあります。

保護者

全日制でなくても、通信制高校や定時制高校でも勉強できますよね。

教室長

そうです。中学校で不登校の状態でも高校進学の選択肢はあります。

保護者

お友だちの保護者の方は特に進路のことを心配していらっしゃったから、それを聞いてすこし安心しました。

保護者

そうね。でもここで大切なのは、まずはお子さん本人に進学したい気持ちがあるかどうかが大切じゃないかしら。お子さんの意思を聞かないで進路を決めてしまっては、不登校の状態が悪化することも考えられるし、高校に進学できたとしても休まずに通えるかどうか不安も残りますよね。

教室長

お子さんの意思を尊重するというのはとても大切だと思います。不登校の生徒さんは心身共に疲れてしまっている状態なので、先に進学の準備を整えるというより、まずは不登校のケアをするのが前提になるでしょう。

まずは出席日数や内申点など現状を知ることが大切

保護者

お子さん本人にも進学したいという気持ちがあるときは、高校受験に備えて何から始めればいいでしょうか?

教室長

多くの都道府県で高校受験の際直接合否に関わるのは、中学校3年生の出席日数や成績です。まずは出席日数や内申点といった現状を知るために、学校の先生に相談することをおすすめします。

保護者

そういえば、教室以外の場所に登校するいわゆる保健室登校をしたり、地域の教育委員会が開いている適応指導教室に通うことで出席扱いになると聞いたことがあります。

保護者

学校に相談すれば定期テストもクラスメイトとは別室で受けられる場合があるんじゃなかったかしら?

教室長

はい。そのような対応を学校側がとってくれる場合もあります。出席日数を増やしたり、内申点に大きく関わる定期テストを受けたりしておくことで、全日制の普通高校を受験したい場合でも志望校の幅を広げることができますよ。

保護者

保健室登校もできないという状態のお子さんや、中学3年生の定期テストが受けられずに内申点がないというお子さんも、なかにはいらっしゃいますよね?

教室長

確かに学校自体に行けないという状態のお子さんもいらっしゃるでしょう。選択肢はすくなくなってしまいますが、出席日数や内申点に関係なく入試の点数や面接だけで受験できる高校もあります。

保護者

不登校の生徒さんを積極的に受け入れている高校もあるとさきほどの話に出ましたね。

教室長

そうです。ほかにも不登校の生徒さんも進学しやすい定時制高校や通信制高校をすすめられることも多いようです。

保護者

高校受験の仕組みって複雑ですこし調べただけでは分かりにくかったりしますね。

教室長

はい。都道府県はもちろん公立高校と私立高校でも細かい違いがあるので、学校の先生や塾の講師など、高校受験に詳しい方に相談するのがよいと思います。

保護者

不登校で学校には行けないけど、高校進学のために塾には通っているというお子さんも多いみたいですね。

保護者

家庭で勉強を教えるのには限界がありますよね。本人が高校に行きたいと思うなら塾で学力をつけるのがいいかもしれませんね。

不登校を経験した場合の高校選びのポイント

保護者

中学校で不登校だった生徒さんが高校に合格できたとして、卒業まで通えるものでしょうか?

教室長

小学校や中学校は周辺の地域のお子さんが集まりますが、高校はより広い地域から生徒さんが集まるので、世界が変わったと感じるお子さんも多いそうですよ。

保護者

なるほど、クラスメイトの顔ぶれも変わりますものね。通いやすく感じるかもしれません。高校は志望校選びの自由度が高いのもポイントになりそうですね。

教室長

高校の雰囲気を知るために、オープンスクールや通常時の授業を見学に行けるとよいですね。お子さんが直接足を運べるとベストでしょう。

保護者

全日制の集団で受ける授業に不安があるお子さんは、在宅で単位を取得できる通信制高校を選ぶこともできますね。

教室長

お子さんの現状や希望によってどんな選択肢があるのか、高校受験についてぜひ学校の先生や塾の講師に相談しましょう。ただし「高校に合格すること」が「不登校の解決」ではないことを頭に入れておいたほうがいいと思います。

保護者

確かに高校に進学しても留年や中退してしまう可能性は考えておいたほうがいいかもしれませんね。

保護者

がんばって受験勉強をしたのに不合格だった、せっかく高校に合格したのにまた学校に行けなくなってしまった、という場合のお子さんの精神的ダメージは大きいでしょうし。

教室長

そうですね。保護者の方がお子さんの気持ちに共感するのもとても大切なことです。

保護者

保護者はお子さんの状況を冷静に見守って、お子さんの気持ちに寄り添うことが大切ですね。お子さんがやる気になったら、すぐ対応できるように準備しておきたいものです。