登校拒否の中学生への対応で大切な「セ」「カ」「イ」の考え方

すでに登校拒否であったり、登校拒否になりそうな傾向があったりした場合に大切なキーワードが3つあります。その3つの言葉の頭文字とった「セ・カ・イ」の考え方は、登校拒否のお子さんを持つ保護者の方が理解していて欲しい内容です。

中学生の登校拒否の理由とそれを防ぐための「セ」

理恵さん、なんだか浮かない顔ね。

実は、娘のクラスに学校をたびたび休みがちな生徒さんがいるそうなんです。

登校拒否ということね。

同じクラスにいるのであれば、とても他人事とは思えないわね。

登校拒否の事例は、人数としてもあまり少なくはないんですよ。小中学校の登校拒否の児童さんや生徒さんは、全国で11万人を超えているそうです(※1)。

11万人も。でも、それってどのくらいなのでしょう。

児童・生徒さん全体の1%強という割合だそうです。

200人いる学年だとしたら、2〜3人いる計算ね。確かに学校全体で考えれば、珍しいことではないわね。

その原因は、中学3年生をとって見てみると「いじめ以外の友人関係をめぐる問題」「学業の不振」「親子関係をめぐる問題」「あそび非行」「無気力」「不安などの情緒的混乱」などのようです。

意外と「無気力」「不安などの情緒的混乱」など、そのお子さん単独で悩んでしまうケースもあるのね。 

登校拒否になりがちなあの生徒さんも、このようなことが原因なのかしら。

もしまだ完全に登校拒否の状態でない段階なら、ぜひその保護者の方に知っておいていただきたいことがあります。

どのようなことでしょうか。

1つめのキーワード「セ」=「先生との関係性」です。登校拒否じゃなくても同じことが言えるのですが、担任の先生や養護教諭(保健室の先生)などと保護者の方が良好な関係性をつくっておくのが大切です。

学校の様子をよく知っているのは、学校の先生ですものね。

万が一原因が先生とお子さんの関係性にあったとしても、保護者の方と学校との間で太いパイプがあれば、小さな変化も情報交換がしやすくなります。

きっと保護者の方も「何かできることはないかしら」と思っているはずだから、クラスの様子を先生から聞くだけでも再登校への意識をつなぐきっかけになってくれそうね。

 

登校拒否中、施設を使わず家庭でもできる「カ」

家族や社会との関わりが難しいほどの登校拒否の状態になっている場合は、お子さんの行動や意識を変えるというよりも「家庭環境を変えること」が先決だそうです。

つまりキーワードは家庭環境の「カ」ですね。

そのとおりです。登校拒否の原因が学校でのことだったとしても、それはきっかけにすぎないということもあります。

 保護者の方とも話せない状況なら、さらに家族との関係性が引き金になっている可能性が高いですね。

父親と母親の仲、きょうだい、親戚との関わりなどが「お子さんのストレス」になっている場合は、その改善をしていくことで再登校を促す糸口になるかもしれないわね。

もし家の外との接点を持つのは難しくても家族となら接することができる場合、そのほかに何かできることはないのでしょうか。

お子さんのよき「理解者」、よき「共感者」になってあげることです。

もし自分が同じ立場になったらできるかしら。

保護者の方の立場としても考え込みすぎないようにしたいですね。たとえばカウンセラーの方も、状況に応じていろいろな方法を採るとは思いますが、あえてあまり積極的な働きかけはしないそうです。

話を聞いてあげるということですね。

聞き役になることと、もうひとつ意図があります。カウンセリングで直接的な改善ができるとは限らないので、保護者の方やお子さんに寄り添い精神的な安定を図るための補助として考えるのが、正しいカウンセラーの捉え方だからです。

なるほど。そうなのですね。

そして、学校や勉強などに関する話題は、意識的に避けているそうです。

つい登校拒否の原因を解決するために、「何かあったの?」といった話をしてしまいそうですものね。

そこを、ぐっとこらえる必要がありますね。あとは、ただ聞くだけではなく、そのお子さんと同じ意見の立場になることで「理解者」「共感者」の存在になりやすいのだそうです。

家族だからこそ、全然関係ない話で理解し合うことができそうですね。趣味の話とか、テレビの話とかもできそうだわ。

趣味があれば一緒に取り組むなど、家族の誰かと同じ体験をして同じ気持ちを共有するのもよい方法だと思いますよ。

 

登校拒否でもフリースクールなどに行けそうなら考えてほしい「イ」

学校に登校するのが難しいと考えると、少し気になってくるのが勉強のことですよね。

そうよね。もし家庭以外でも人との関わりが持てそうなら、フリースクールなどを利用するとよいのではないかしら。

家庭以外で人と関わりを持つことは、とてもよいことだと思います。ただ、フリースクールなどに通える段階であっても、まだまだ精神的に安定しているとは言い切れません。

そこからすぐに勉強に復帰できたり、学校に再登校できたりするようになるとは限らないですものね。

そうですね。勉強をサポートしてくれる場所というより、そのような施設はお子さんの精神的な「居場所」をつくる目的を担っていると考えてみてください。

社会との関わりを広げるための、家庭以外の居場所をつくるのね。

そうです。最後のキーワードは社会的な居場所の「イ」です。フリースクールや類似する施設であれば同じような状態のお子さんも多く、自然にまわりと接することができ、だんだんと社会的な場所での「居場所」だと認識できていくはずです。

勉強は後から取り返せるけれど、気持ちをコントロールするほうが難しいですものね。

 家庭以外の社会との関わりが持てると思えれば、少し安心できる気がします。ちなみに高校進学への影響はどうなのでしょうか。

欠席日数の理由だけで高校に進学できないということは、なくなってきているようです。

これからの生活に対する意志を尊重してくれているんですね。

内申書や調査書の欠席日数から登校拒否の事実は伝わりますが、それでも受け入れる高校が増えているようです。そして本人に高校進学の意欲があれば再登校が難しい場合でも、普通に社会へ戻っていく見込みは大いにあります。

あとは本人の学力をどのように補うかですね。

1人で楽しく外に出られそうなら個別指導塾などに行ったりする方法もあります。

集団にならなくてもすむ勉強環境って、意外といろいろあるのですね。

そうみたいね。あとは本人の精神的状態やまわりとの関わり方のペースを見て、どの方法にするか決めればよいのね。

そうですね。ここまでご紹介した「セ」「カ」「イ」の3つのキーワードと内容を知ることで、少しでも中学校の生徒さんを取り巻く世界や悩みと上手につきあっていく参考になればと思います。

 

■参照URL
・文部科学省 平成24年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/12/1341728.htm
特に上記サイトの下部「平成24年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果について(2)」を参照。

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