高卒認定試験を上手に活用するノウハウ



「高校卒業程度認定試験」という試験を知っていますか?この試験は、さまざまな理由で、高校を卒業できなかった方を対象に行われている試験で、合格すると大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。平成16年度まで大学入学資格検定(大検)として行われていました。今回は、この高卒認定試験を上手に活用するためのノウハウを紹介します。

「高校卒業程度認定試験」とは?

うちの子の進路について調べていたときに、高卒認定試験という言葉が出てきました。これはどういう制度なのでしょうか?

高等学校卒業程度認定試験のことですね。簡単に言えば、大学などの受験資格を取得するための試験です。文部科学省によると、このように説明されています。「高等学校卒業程度認定試験は、様々な理由で、高等学校を卒業できなかった者等の学習成果を適切に評価し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験です。合格者は大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。また、高等学校卒業者と同等以上の学力がある者として認定され、就職、資格試験等に活用することができます。(※)」

だれが受けられる試験なんですか?

16歳以上であれば、だれでも受験することができますよ。高校を中退した方は一部の受験科目の免除も可能です。現役の高校生でも受験は可能です。

この試験を受けるのはどんな方が多いですか?

通信制高校、定時制高校の3年間は長いと思っている方。または何らかの理由で高校を中退した生徒さんや不登校になってしまった生徒さん。ほかにも、就職のためにこの試験を利用する方も少なくありません。

平成16年度までは、「大学入学資格検定(大検)」と呼ばれていたわ。

なるほど。つまり、合格すると高校卒業の資格が得られる試験ということなんですね。

残念ながら、高卒認定試験は高校卒業資格にはなりません。この試験はあくまでも「高校卒業と同等以上の学力を有することを認定する」ものです。つまり、高卒認定試験に合格しても、学歴としては「中学校卒業」という扱いになります。

学歴には反映されない試験なんですね。

学歴には直接反映されませんが、高卒認定試験は履歴書に書くことができる資格です。また、高卒認定試験の合格者には国公立・私立大学、短大、専門学校の受験資格が与えられます。たとえば高卒認定試験に合格後、大学に入学して卒業すれば最終学歴が「大学卒業」になります。ただし、高卒認定試験を利用して入学した大学を中退してしまった場合は、最終学歴が「高校卒業」ではなく「中学卒業」になってしまうので、その点は注意してください。

合格のためには8~10科目を選択する必要が。科目選びは慎重に

試験はいつごろ行われているんですか?

平成29年は8月と11月の2回です(※)。基本的に試験の3ヵ月前に出願の必要があります。

試験科目はどのようになっていますか?

6教科14科目のなかから、8~10科目選択して受験します。合格要件として8~10科目が必要です。とは言え、8~10科目を一度の試験で全科目に合格しないといけないというものではありません。一度合格した科目はそれ以降受験の必要がなくなります。また、過去に履修した科目によっては受験を免除されることがあります。

高校などで免除要件に合う必要単位数を修得している科目や、特定の資格を持っていることが科目免除条件になるわ。たとえば英語なら、実用英語技能検定(英検)準2級以上を持っていると科目免除になるそうよ。自分が受ける年の条件をしっかり確認する必要があるわ。

8科目で合格する場合と、10科目で合格する場合にはどのような違いがあるんですか?

地理歴史、公民、理科の教科はそれぞれ受験する科目を選択する必要があります。地理・歴史は「世界史A」、または「世界史B」の2つのうちいずれか1つ。「日本史A」、「日本史B」、「地理A」、「地理」Bの4つのうちいずれか1つを選ぶ必要があります。それに対して公民は、「現代社会」1科目、または「倫理」と「政治・経済」の2科目から選ばなくてはなりません。

選べる科目の数が違うんですね。

はい。そして理科の場合は、「科学と人間生活」の1科目と「物理基礎」、「科学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」のうち1科目(合計2科目)、もしくは「物理基礎」、「科学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」のうち3科目(合計3科目)から選ぶことになります。つまり、各教科の中で科目をどう選択するかによって受験科目数が変わることになります。

試験はどのような形式ですか?

全科目マークシート方式です。試験科目は50分で、問題数は20~40問が通例です。

合格のためには教科書中心の勉強がおすすめ

高卒認定試験に合格するには、どんな勉強が必要になりますか?

高卒認定試験は、高校1年生で学習する内容が多く出題されますので、高校の教科書を中心に勉強するといいでしょう。文部科学省のホームページに過去の問題、及び解答が掲載されているので、そちらを見てみるといいでしょう。また、出題範囲と対応する教科書についても文部科学省のホームページで確認することができます。

一度に全科目を合格しようと思うと大変だけど、範囲も限られているから、しっかり勉強すれば1年以内に合格することも可能な試験よ。

とはいえ、どのような勉強をしたらよいのかわからない、不安がある、という方は受験対策を行っている学校や予備校に相談してみるとよいでしょう。私の知っている個別指導塾では、高卒認定試験に特化した内容の授業を実施することもできるそうです。

わかりました。困ったら、学習のプロの力を借りるのも手ね。あと、高卒認定試験の合否はどうやって決まるのでしょうか?

高卒認定試験は、定められた基準点に得点が達していれば人数に制限なく合格できます。残念ながら、基準点については文部科学省から公表されていません。試験の難度によっても異なるとは思いますが、学校や予備校によってはデータを収集しているところもあると思いますので、過去のデータを参考にしてみるといいでしょう。


(※)典拠:高校卒業程度認定試験 文部科学省 (平成29年10月閲覧)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/

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