国公立、私立を問わず年々重要度が増しているセンター試験

保護者

受験生やその保護者にとって年末年始の大きな話題と言えば「センター試験」じゃないかしら。

保護者

そうですね。そもそもセンター試験はどんな試験なんでしょうか。

教室長

正式名称は「大学入試センター試験」といいます。1月中旬に全国で一斉に行われる大学入試のためのテストです。国公立大学の1次試験にあたり、センター試験の成績と各大学で行われる2次試験の成績を総合して合否判定が決まります。

保護者

国公立大学の1次試験にあたるということは、私立大学を志望する場合は受験しなくてもいいんですか?

教室長

国公立大学の受験には基本的に必須のテストですが、私立でもセンター試験を利用する大学が年々増えています。

保護者

私立大学の9割近くがセンター試験を入試に利用しているそうよ。センター試験の成績のみで合否判定をする大学もあるみたいだから、気になる大学があったらよく調べてみるといいんじゃないかしら。

教室長

そうですね。私立大学の一般入試だけを考えている人も、センター試験はその年の受験生の実力と自分の実力の位置を知ることのできる「最良の模擬試験」と考えられますから、ぜひ受けておきたいですね。平成29年度には受験生の8割以上、約50万人がセンター試験を受験していることからもわかるように、センター試験の重要度は年々増しています。大学進学を目指すなら、センター試験についてよく知っておくことが大切です。

保護者

センター試験では、どんな科目をどのくらい受験するんですか?

教室長

出題科目は国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科30科目です。主な出題科目は以下を見てみましょう。

 

【国語】「国語」
【地理歴史】「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」
【公民】「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」
【数学①】「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」
【数学②】「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・B」
【理科①】「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」
【理科②】「物理」「化学」「生物」「地学」
【外国語】「英語」

 

上記のほかに、高校の課程によっては数学②で「簿記・会計」「情報関係基礎」、外国語で「フランス語」「ドイツ語」「中国語」「韓国語」も選択できます。

保護者

このなかから自分の志望校に必要な科目を選択して受験するんですよね?

教室長

はい。それぞれの大学・学部で入試に必要な科目の指定があり、その指定にそって必要な科目を受験することになります。国公立大学では5教科7科目以上、私立大学では3教科(科目)という指定が多いです。

保護者

志望校の受験に必要な科目を調べることが、センター試験対策の第一歩ね。

保護者

なるほど。文系・理系で必要な科目に違いがありそうですね。

教室長

そうですね。国公立大学を例にすると、文系では「国語、地理歴史と公民から2科目、数学2科目、理科1~2科目、外国語」というのが典型的な科目の選び方です。理系では「国語、地理歴史と公民から1科目、数学2科目、理科2~3科目、外国語」が多く見られるパターンですね。一方、私立大学では選択科目が国公立より少ないことが多いのですが、文系でも数学や理科の理系科目、同様に理系でも国語や社会といった文系科目を受けておくといいでしょう。センター対策が不充分な科目があったとしても、センター試験で受験しておくと出願できる学校が広がる可能性もあります。

決して簡単に考えてはいけないセンター試験

保護者

センター試験の本番は1月ですけど、出願時期はいつごろなんですか?

教室長

センター試験の受験案内は9月上旬から配布され、出願期間は例年9月末から10月上旬までです。理科の選択パターンや地理歴史・公民の科目数など、出願時に申請が必要な項目もあるので、夏休みをめどに志望校をしぼりこんで受験に必要な科目をよく確認しておくと、余裕をもって出願できるでしょう。

保護者

出願は意外に早いんですね!

教室長

そうなんです。多くの生徒さんが大学受験をする進学校の場合は、学校を通して出願することが多いですが、そうでない場合、うっかり出願を忘れてしまったということも多いので注意が必要です。

保護者

出願したあとのスケジュールも教えてください。

教室長

出願後、12月上旬から中旬に受験票などの書類が届きます。テスト本番は1月中旬です。センター試験の翌日には、新聞などで解答と配点が公表されるので、自己採点をしましょう。センター試験の1週間後から国公立大学の出願が始まりますので、自己採点の結果をもとに受験する大学を決めることになります。

保護者

よく「センター試験に難問・奇問は出題されない」と聞きますが、センター試験はどんなテスト内容なんでしょうか?

教室長

センター試験の出題は高校で習う教科書の全範囲を網羅した内容で、得点率が6割になるようにつくられています。おっしゃるように標準的な内容ですが、受験対策をみっちりやって臨む受験生がようやく6割に到達する試験ですので、けっして易しい試験ではありません。問題量が多く解答のスピードを求められるほか、マークシート方式のため迷いやすい選択肢が多用される傾向があることが、センター試験の特徴と言えるでしょう。

保護者

センター試験対策のためにはどんな勉強をすればいいでしょうか?

教室長

まず高校の教科書の内容をしっかりと身につけておくことが大切です。高校3年生の夏休みまでには基礎固めをしておきたいですね。どんな応用問題も基礎なくしては解けません。基礎をしっかり固めておくことは、センター試験対策のためだけでなく、国公立大学の2次試験や私立大学入試の対策としても重要です。

保護者

センター試験は、教科・科目を問わず、すべてマークシート方式で解答する試験になるから、時間配分やマークシートに慣れておくことも必要ね。

教室長

そうですね。高校3年の2学期からは、センター試験の過去問や問題集などを使って、演習にシフトしていくのが理想的でしょう。演習をくり返すことで、問題の多さや迷いやすい選択肢など、センター試験独特の出題パターンに慣れ得点率を上げることができます。6割以上正解できるようになってきたら、タイマーなどを使って、指定の時間内に解答する練習をするのもおすすめです。

保護者

塾や予備校が実施するマークシート方式の模擬試験などもどんどん活用したいわね。

2020年にはセンター試験に代わる新テストがスタート!

保護者

そういえば、2020年からセンター試験に代わって、大学入試の新テストが始まると話題になっていますね。

保護者

2017年度の時点で中学3年生以下のお子さんが大学受験をするときには、新テストが始まっていることになります。どう変わるのか今から知っておきたいです。

教室長

センター試験に代わって始まるとされているのが「大学入学共通テスト」です。知識偏重と言われてきた従来のテストから、知識を活用する思考力・判断力・表現力を問うテストへ移行するのがねらいとされています。

保護者

具体的にはなにが変わるんですか?

教室長

従来のマークシート方式に加え、記述式の問題の導入が予定されています。当面は「国語」と「数学」でそれぞれ3問程度を予定しているそうです。マークシートの問題でも思考力・判断力・表現力を重視した出題になるという方針が出されています。

保護者

特に英語のテストが大きく変わると聞きました。

教室長

そのとおりです。今までは筆記問題とリスニングだけだった英語が、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価することになり、国立大学の受験生は大学入学共通テストに加えて、外部検定を受けて、その得点とで判定が行われる予定です。公立大学や私立大学での外部検定の利用はまだ流動的ですが、国立大学の動きは少なからず影響を与えることが予想されます。(2017年12月時点)

保護者

「大学入試センター試験」も「大学入学共通テスト」も、大学入試のためのテストだから、高校で習ったことがどの程度身についているかを測るテストであることは変わらないんじゃないかしら。

教室長

そうですね。勉強を進めていく上で大切なことは変わらないかもしれません。でも受験生に課される負担は年々重くなっていく傾向にあります。また大学入試の改革は高校入試にも少なからず影響が出てくるはずです。受験生のいるご家庭では、新聞やテレビなどで最新の入試制度についてチェックしておくこと、下のお子さんの場合はお兄さんやお姉さんの受験とは違うということ、頭の片隅に入れておいていただきたいと思います。