英文和訳には「文法」の理解が欠かせない

保護者

英文和訳が上手にできるようになるには、どうしたらいいんでしょうか。英文和訳で重要になってくるのはやっぱり単語力かしら?

教室長

もちろん単語力も必要ですが、英文和訳は単語力だけでは乗り切れないみたですね。わかる単語をとりあえずつなげた和訳では、点を取るのが難しいです。

保護者

そうなんですか。

教室長

たとえばtheyが表しているものが人であれば「彼ら」、物であれば「それら」というように、英語の単語や熟語は文脈によって意味が変わるものがあるので、前後の文章をよく読んで適切な訳にしないといけないですね。

保護者

なるほど。単語の意味をしっかり文脈のなかで理解することが必要なんですね。

教室長

もちろん、単語の意味を理解することも必要ですが、英文和訳で一番意識したいのは文法をしっかり理解することです。

保護者

直訳ではなく、文章の構造を考えてていねいに訳していくというのが大切なんですね。

教室長

はい、そのとおりです。関係詞や接続詞、分詞といった文法事項を正しく理解し、ていねいに訳していくことが点数アップにつながりますよ。

正しい日本語にするまでが「英文和訳」

保護者

文法を理解するというのは、具体的にどういうことですか? 

教室長

文法を理解するというのは、主語と述語、修飾語と被修飾語、接続詞の関係などを把握して、意味のまとまりをとらえることです。文法がしっかり理解できていないと、単語の意味をつなぎ合わせた直訳になってしまいます。

保護者

文法を正しく理解していくためには、どうしたらいいですか?

保護者

日本語は「私は(S)本を(O)読む(V)」のような「SOV」型の文が多いけど、英語は「I(S) read(V) a book(O).」のような「SVO」型の文が多いわ。「SVO」型の文では、言いたいこと、やりたいこと(目的)が文のはじめにあるからまずはそこをしっかり見ることね。

教室長

そうですね。例外もたくさんありますが、「一番いいたいこと、やりたいこと」が「文章のはじめにある」というのが基本だと意識するだけでも、英文が理解しやすくなるでしょう。英語は基本的な語順が日本語よりも厳格に決まっています。ですから、長文も文節で区切りながら、修飾・被修飾語、接続詞の役割に注意することで構文をとらえやすくなると思います。
たとえば「You should wash the dishes right now because it is a promise with me.」という文を、左から順に、文節で区切りながら訳すとどうなりますか?

保護者

文節で区切りながらだと、「あなたはお皿を洗うべきである、いますぐ、なぜならそれは私との約束だから。」ですか?

教室長

そうですね。いま訳したものが直訳になります。次に、英語の語順を意識したまま、自然な日本語にしてみてください。

保護者

「あなたは今すぐお皿を洗うべきである、なぜなら私と約束したから。」でしょうか?

教室長

いいと思います。「right now(今すぐ)」が文章のどの部分を修飾しているのかを意識することで、さきほどの直訳よりも自然な日本語になりましたね。ほかにも、動詞が現在形か過去形かどうかといった時制も、和訳する際の重要なポイントになるので気をつけましょう。

 

 

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英文和訳の勉強方法

保護者

英文和訳を上達させるためには、どんな勉強をしたらいいですか?

教室長

英文和訳を上達させるために必要なのは、実際にいろいろな問題に触れてみることだと思います。まずは文章全体を読み、文法を意識しそれぞれの単語の役割や関係性を理解する力をつける練習をしていきましょう。

保護者

構文を理解するために、ふだんから「SVOC」などを直接英文に書き込む習慣をつけておくといいらしいわよ。

教室長

英語の文型にはある程度パターンがあります。文法の理解や和訳の時間短縮にもつながるので、代表的なパターンは覚えておきましょう。

●SV型( Sは~する)
●SVC型(S=Cである)
●SVO型( SはOを~する)
●SVOO型(SはO(人)にO(物・事)を与える)
●SVOC型(SはOがCであるのを~する)

保護者

なるほど!確かに、ある程度のパターンがわかっていれば和訳しやすくなりますね。

教室長

分詞や不定詞などでも、この5文型の法則は生きていますので、どんな関係になっているか、そのつどチェックしていくことが大切ですね。

保護者

実際の問題で活用できる英文和訳のコツなどはありますか?

教室長

まずは基本的な熟語を見つけることを意識することからはじめてみるといいでしょう。「not A but B(AではなくB)」や「not only A but also B (AだけでなくBも)」といった基本的な熟語が実際の英文でどのように使用されているか意識しながら、日本語を組み立てる意識を持つとよいでしょう。覚えた単語や熟語の知識を実際の英文のなかで活用する練習をしていくのは大切ですね。

保護者

長い文章になると、知っている熟語でも見つけにくいことがあるわ。だから、熟語を見つけたら線を引いておくといいわね。あとは、接続詞にも線を引いておくと、読みやすくなると聞いたことがありますね。

教室長

接続詞であれば、等位接続詞の知識があると役立ちますね。

保護者

等位接続詞ですか?

教室長

さきほどの熟語にも出てきた「and」と「but」は等位接続詞と呼ばれています。必ず名詞と名詞、文と文など、同じものをつなぐというルールがあります。これを知っておくと文章の中のつながりやまとまりが見えやすくなるでしょう。少し専門的ですが、あと英語の等位接続詞は基本的には「or, nor, so, for」しかありませんので、参考にしてみてください。

保護者

あと私はwhoとか、whichの訳し方で苦労した覚えがあります。

教室長

そうですね。学年が上がると、特に苦労するのが関係詞ですね。たとえば、「He visited the teacher who is a stamp collector.(彼は切手収集家である先生を訪ねた)」という文章があったとします。ここでは、関係詞(関係代名詞)whoは文章全体の中でOでも、関係詞節の中ではSの役割を果たします。

保護者

関係詞が2つの役割を果たすなんて、複雑そうね。

教室長

そうですね。特に関係詞が出てくる文章では、この関係を正しく理解していかないと訳せませんし、あえて関係詞が理解できているかを確かめるために、この部分が和訳の問題になることもあるのですよ。

保護者

あっ、そうだ。1つ疑問に思っていたのですが、英文和訳の問題を解くときは、実際にテストの問題を解くように、紙に書いたほうがいいですか?

教室長

はい。音読+口頭訳だけでは、間違って解釈してしまった原因が確認しにくいので、和訳は紙に書くことをおすすめします。

保護者

紙に書いておけば、わからなかった単語や述語を確認できますし、自分の和訳と解答の和訳を比較できるので、苦手な部分や間違った部分を意識しやすくなりますしね。

教室長

英文和訳でもっとも大切なのは正しい文法の理解です。身につけた単語力を生かすためにも、ふだんから英文を読む際は文法を意識してみてください。

逆に言えば、文法事項の正しい理解がなければ、正しく英文を読解することはできません。単語を知っていれば、なんとなく意味を理解することもできますが、こうした学習姿勢だと、テストの点数はかならずどこかで頭打ちになってしまいますね。