学校に行きたくない、という気持ちに寄り添って

保護者

この間、不登校の生徒さんのニュースをやっていたのを見ました?うちの子はまさかと思う半面、もし不登校になったらどうしようって、ちょっと不安になっちゃった。

保護者

そのニュース見ました。特に中学で不登校の生徒さんが多いんですってね。

教室長

内閣府の平成28年度版「子ども・若者白書」(※)によると、不登校のお子さんの割合は高校生で2.76%、中学生で1.59%、小学生で0.39%となっています。中学生では微減傾向ですが、高校生と小学生については緩やかな増加傾向にあるようです。

保護者

決して少なくない数ですね。

教室長

ちなみに、同じ資料には「不登校のきっかけになった状況」も挙げられていますが、友人関係や学業、家庭の問題など、理由も多岐にわたります。

保護者

自分の子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら、保護者はどうすればいいのかしら。

教室長

まずその気持ちを否定したり、責めたりしないであげてほしいと思います。一番ショックを受けて、傷ついているのはお子さん本人ですから。保護者の方はまずお子さんの気持ちを受入れて、「なぜ行きたくないのか」の理由を一緒に考えてあげてほしいです。

学校に行きたくなる5つの方法

保護者

どうしたら不登校になってしまったお子さんが学校に行きたくなるかしら?無理強いはしないにしても、「行ってみようかな」という気持ちにさせるコツも知っておきたいです。

教室長

では、5つにポイントをまとめてみましょう。まず1つ目は、「行きたくない原因を遠ざける」。人間関係や勉強の遅れなどが原因とわかっている場合、それらを遠ざけることで学校に通いやすくなります。保健室登校や得意な教科だけ参加するなどの対応を学校と話し合うとよいでしょう。

保護者

うちの子のクラスにも保健室登校の生徒さんがいるわ。最近は学校側の対応やサポートも、昔よりずっと柔軟になっているみたいね。

教室長

2つ目は、「学校を楽しい場所にする」。友だちと会える、放課後に部活動ができるなど、学校にいて楽しいことを挙げてみるのです。
3つ目は、「気の許せる友だちや先生をつくる」。学校に味方が1人でもいると心強いものです。仮に長く学校を休んでいたとしても、クラスメイトや教師とつながっていることで、学校とのつながりが保たれている安心感があります。

保護者

学校との心理的な距離を遠くさせないってことですね。

教室長

4つめ目は、「学校がすべてではない」とお子さんが思えるようにすることです。「学校に行かないと人生失敗」ではありません。学校に行かない選択肢もあるということを、保護者や先生が示してあげることで気が楽になることがあります。しばらく休んだあとで気持ちが落ち着けば、また行きたくなる場合もあります。

保護者

なるほど。

教室長

そして、5つ目は、「将来の自分や叶えたい夢を思い描いてみる」。将来就きたい職業ややりたいことを想像してみると、「将来のために今は大変だけど、ちょっとだけがんばろう」と思える場合もあります。

 

 

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不登校のお子さんでも通いやすい高校がある

教室長

不登校になったときのことを考えると、いろいろと心配にもなりますが、最終的に本人が希望する進学先を見つけたり、本人にとってピッタリな職場を見つけて人生を歩んでいけば、最終的に不登校の経験はマイナスになりません。

保護者

不登校って、決してわるいことではないんですね。

教室長

そうです。あとで振り返れば、自分の道を見つけていく上で、必要なプロセスだったと思い返せるときがきっと来ます。ですから、周囲の大人は長い目で見ながら、解決のときが来るまでじっくりと向き合ってほしいと思います。

保護者

そういえば、公立高校でも不登校の生徒さんでも通いやすいような指導を展開する学校が、最近できているんですよね。それもテレビで言っていました。

教室長

都内ですと、チャレンジスクールやエンカレッジスクールがそれにあたりますね。今は不登校の生徒さんや中途退学した生徒さんの学び直しを支援する高校が全国で増えてきています。さきほどの内閣府の調査で見てみると、高校を中途退学した生徒さんの数は平成14年以降、減少が続いています。平成24年度の中途退学者数は51,781人、中途退学率は1.5%でした。

保護者

そうなんですね。

教室長

それに、高校に通わなくても「高卒認定試験」に合格すれば大学受験は可能です。そういう意味でも、不登校を悲観するのではなく、「今はちょっと立ち止まる時間」くらいに受けとめるのがよいと思います。

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(※)参照:内閣府「平成28年版 子供・若者白書」
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h28honpen/pdf_index.html