「自分に合った勉強法」を見つけるのは意外に難しい

保護者

よく「効率的に勉強するには、自分に合った方法で勉強することが大事」と聞きますが、「どうやったら自分に合った勉強法って見つかるの?」とうちの子に聞かれて、うまく答えられませんでした。

教室長

確かに、最初から自分に合った勉強法を見つけるのはなかなか難しいことだと思います。目的地まで行くのにどの道が最短コースなのか、どの道が歩きやすいかを知るには、地図を用意して実際にコースを歩いて、確かめることが大事ですよね。勉強もそれと同じです。勉強には、いくつものコースがあります。たとえば、ゴールを「重要項目を覚える」としたとき、コースには「紙に書いて覚える」「見て覚える」「単語帳を使う」「暗記シートを使う」「ひたすら問題を解く」など、いくつもの選択肢があります。体で覚えるのが得意なお子さんもいれば、活字で覚えるのが得意なお子さんもいるので、どれが正解とは一概に言い切れません。

保護者

いろいろな方法を試してみることが大事なんですね。

教室長

はい。最初は勉強できるお子さんのやり方を参考にして、真似をしてみるところから始めてみましょう。「これはよさそう」と思う勉強法を試していくうちに、「これは合うけど、こっちは合わない」というのがわかってきます。すると、もっと自分に合う方法を探したり、自分流にアレンジしたりできるようになりますよ。たとえば、「耳からの情報をキャッチするのが得意なお子さん」なら、CDやラジオの講座を活用したり、「本を読むのが速いお子さん」ならテキストを読み込んで覚えるなど方法はさまざまです。それぞれの得手不得手に合わせて、一番よい勉強法を見つけていきましょう。

勉強できる子がやっている基本的なこと

保護者

勉強できるお子さんには、なにか共通点があるのでしょうか? 

教室長

性格的なことから言うと、勉強できるお子さんには「素直」な性格が多いと思います。つまり、人の意見を聞いて受け入れられる「柔軟性」があるということですね。素直な性格のお子さんは、人のやり方を見て、よいところを学んで実行したり、アドバイスを聞いて反省したりして、自分の学習に生かすことができます。

保護者

自分なりのやり方や過去の成功体験にこだわりが強すぎると、視野が狭くなって、非効率な勉強法でも抜け出せなくなってしまうんですね。

教室長

はい。また、勉強できるお子さんの多くは、規則正しい生活を送っています。よく食べ、よく運動し、よく勉強して、よく眠る。勉強は、健康な心と体があってはじめてはかどるものです。「そんな基本的なこと」と思われるかもしれませんが、意外にできていないお子さんが多いように思います。

保護者

そうですね。うちでも基本的な生活習慣となると、耳が痛い部分もありますね。

教室長

ほかにも、勉強ができるお子さんは概して勉強に前向きで、「今はダメでも、きっとできる」「かならず合格するぞ!」と信じて勉強に取り組めます。勉強して手応えさえつかめれば、自信はあとからつけることができるので、まずは前向きに勉強にとりくむ姿勢から身につけていきましょう。

 

 

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勉強できる子の勉強法に学ぼう

保護者

勉強できるお子さんの具体的な勉強法が知りたいです。

教室長

ポイントは全部で5つあるのではないかと私は考えています。順番に見ていきましょう。まず、1つ目は、「計画性をもって」勉強することです。ゴールまでの時間を逆算して、スタートの時期を設定します。そして、途中で「この日までになにをするか」のチェックポイントをつくります。チェックポイントは、優先順位の高いものから先に割り振っていきましょう。

保護者

苦手な科目は、最優先で時間を確保しなくてはいけませんよね。

教室長

そうですね。ただし、時間のかかる苦手科目にばかり時間をとってしまうと、ほかの教科まで手が回らなくなるおそれがありますから、それぞれの教科で使える時間の上限を決めておきましょう。2つ目は、「自分のレベルに合ったテキストや問題集を使って」勉強することです。伸び悩んでいるお子さんのなかには、難しい問題集を使っているために理解が進まずに苦労している場合があるので、一度問題集を見直してみるといいでしょう。

保護者

難しい問題集で勉強したほうがよいのかと思っていました。

教室長

難問が解けないからといって、テストでよい点が取れない、受験に合格できないというわけではありません。一部の上位校を除けば、基礎的な力で合格できる高校がほとんどです。

保護者

そうなんですね。安心しました。

教室長

3つ目は、「学校の授業や教科書を大事にする」ことです。学校の小テストや定期テスト、公立高校の選抜試験は、「教科書の範囲内」からしか出ないことになっています。ですから、教科書や授業をおろそかにしてはいけません。勉強できるお子さんは学校の授業をきちんと聞いて、教科書を隅々まで読んで、きちんと理解しているものです。

保護者

受験も基礎的な学力が問われるということは、やはり基本が大事なんですね。

教室長

はい。学校の勉強だけでなく、日常のさまざまな場面を学びの場にしてほしいですね。学校の成績にかかわる・かかわらないではなく、興味のあることにはどんどんチャレンジして、「知的好奇心を満たす」ことの楽しさを学年の低いうちに心と体で感じられるとよいでしょう。

保護者

確かに、せっかく学ぶ時間がたくさんあるのだから、「受験のための勉強」で終わってはもったいないですね。

教室長

4つ目は、「暗記に頼らない」勉強です。単語や年号だけを覚えてもテストでは対応しきれません。物事を流れや関連づけで理解することが大事です。歴史や古典作品は漫画で読むなど、ストーリーで理解するとよいですよ。

5つ目は、「反復勉強法」です。人間は忘れる生き物です。勉強できるお子さんはそれを知っているからこそ、くり返し「思い出し勉強」をして、記憶の定着率をアップさせています。最初はたくさんの問題を解くことよりも、同じ問題を何度も解いて、同じミスをしないようにすることが大切です。

保護者

応用力はつけなくてもいいということですか?

教室長

もちろん応用力も大切です。しかし、応用は基本が完ぺきにできたあとで着実に養いましょう。土台がしっかりしていないと、頑丈な家が建たないのと同じように、応用力をつけるためには基本が大切です。

保護者

わかりました。

教室長

勉強ができるかどうかは、実のところ「頭のよい・わるい」ではなく、「勉強の経験値の違い」が大きいです。しっかりと経験を積んでいけば、かならずレベルアップにつながりますよ。効率よく勉強できないこともあるかもしれませんが、その経験も決して無駄にはなりません。ロールプレイングゲームのように、積極的に経験値を積んでいきましょう。