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「教育の2020年問題」に備えて準備をしよう

「教育の2020年問題」に備えて準備をしよう
「教育の2020年問題」という言葉を聞いたことはありますか?2020年に高校と大学の教育内容が大きく変わると言われています。この2020年問題の内容を正しく理解して、ぜひ今から早めの対策を進めていきましょう。(この記事は2017年7月時点の情報に基づいて制作しております)

2020年に、高校と大学の教育内容が大きく変わる

マスター、「教育の2020年問題」という言葉を最近よく聞きますが、どういう問題ですか?

2020年に高校と大学の教育内容が大きく変わり、それに伴い大学入試の方法も大きく変わると言われています。その教育改革が「2020年問題」と呼ばれているんです。

2020年というと、2017年度の中学3年のお子さんたちが大学受験をする年ですね。

そのとおりです。2017年度において中学生以下のお子さんが大学受験をするときは、新制度で受けることになります。大学入試だけでなく、高校入試も変わってきますから、2020年問題はすでに始まっていると考えるべきでしょう。

まあ、大変!具体的にはなにが変わるんですか?

試験の方法が変わると言われています。現在の「大学入試センター試験」は、2020年1月の実施で最後になります。代わりに、同じ2020年1月からスタートするのが、「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」と「大学入学共通テスト(仮称)」です。
ちなみに、この最後のセンター試験は過年度生(浪人)のためのものになりますので、現役生は新テストでの受験になります。

「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」というのはどういうものですか?

高校で身につけるべき学力の到達度を確認するテストです。高校2~3年生で受験することになります。高校1年生での受験も検討されています。

ということは、「大学受験は高校3年生が受けるもの」ではなくなるんですね。

そうですね。現状のように、受験前の1年間だけ集中してがんばればよいというわけにはいかなくなるでしょう。

では、「大学入学共通テスト(仮称)」のほうはいったいどういうものなんですか?

こちらは実質的にセンター試験の後継に当たるテストです。この共通試験と各大学が行う個別試験で、合否が決まるようになります。年に複数回の実施をすることが検討されているそうです。

新テストでは、試験科目や受験方法も変更に!

新制度では、試験科目も変わると言われています。

どのように変わるんですか?

「大学入学共通テスト(仮称)」では、教科型の問題に加えて「合教科・科目型」「総合型」と呼ばれる問題が出題されるそうです。そして、ゆくゆくは教科型がなくなり、「合教科・科目型」、「総合型」のみの試験になるとも言われています。

教科型がなくなるというのは、想像しにくいですね。つまり、単独の教科にしぼった出題ではなく、いろいろな教科の知識を総動員しないと、解けないような問題が出されるということなのでしょうか?

おっしゃるとおりです。

科目が変更になっても、センター試験と同じよう解答をマークシートに記入していくんでしょうか? 

いいえ。2020年から新たに実施される2つのテストでは、「CBT方式」が導入されるといわれています。CBT方式(Computer Based Testing)というのは、コンピューター端末を利用して受験する方法で、受験者はコンピューターで解答を入力します。

コンピューターにも慣れておく必要がありそうですね。

今のうちから慣れておくに越したことはないでしょうね。ただし、これはあくまで現段階での情報なので、今後変わる可能性もあります。最新の情報に注意してください。

わかりました。各大学が行う個別試験のほうも、変更点があるんでしょうか?

学科試験では測れない能力も重視されるようになると言われています。「小論文」「面接」「集団討論」「プレゼンテーション」「調査書」「活動報告書」「資格・検定試験などの成績」「各種大会などでの記録」などが活用されるようです。

より実践的な能力が問われるということですね。

はい。こうした流れを受けて、高校の授業内容も「より実践的な能力」を育てる内容へと変わっていきます。もちろん高校受験もこうした能力を問う内容にシフトしていくでしょう。

なんだか難しそうですね。うちの子は大丈夫かしら。

直前で慌てないためにも、最新の情報や傾向に目配りしながら、早めに対策をしましょう。中学校でも新たな高校受験に対応して、授業のカリキュラムや進路相談なども変えているはずですので、担任の先生や進路指導の先生にも相談してみるとよいですよ。

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「学力の3要素」を踏まえた学習がカギ

そもそも、どうして教育改革が行われることになったんですか?今の教育制度になにか問題があったんでしょうか?

現状に問題があるというよりも、「新しい時代に合わせていく」という意味合いが強いです。今は先行きの不透明な時代です。だからこそ、多様な人々と協力しながら主体性をもって人生を切り開いていく力が重要になってきます。また、知識の量だけでなく、混とんとした状況のなかから問題を発見し、答えを生み出し、新たな価値を創造していくための資質や能力が重要になります。
これらの資質や能力を育むために、文部科学省は、次代を担う若い世代に求める学力として「学力の3要素(※)」を掲げています。

「学力の3要素」?いったいどんなものでしょうか?
 

文部科学省が定式化した学力の3要素とは、以下の3点です。
(1)基礎的・基本的な知識・技能
(2)知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等
(3)主体的に学習に取り組む態度     

なるほど。それはつまり、どういうことなんでしょうか?

学校で習うような知識・技能の獲得に加えて、それをもとに自分で課題を見つけたり、主体的に学んだり、仲間と協力し合ってプロジェクトを遂行したりする「より実践的な能力」が求められるということです。

今からどんなことを勉強しておけばいいでしょうか?

「主として『知識』に関する問題」に加え「主として『活用』に関する問題」が出題されることになります。ですから、グラフの読み取りや実生活に即した課題への取り組みなど、応用力を鍛えることが重要です。また、それを適切に表現する能力も大切になるでしょう。

今の子どもたちって大変ですね。知識だけを覚えるのも大変なのに。

すごく難しそうに聞こえるかもしれませんが、大人がたとえばクルマや不動産といった大きな買い物をする際には、正解のない問題に対して何らかの決断を出しているわけですね。こうした正解のない問題に対して向き合う筋道や方法を考えるトレーニングに近いものと言えます。その意味では、とても興味深いことですし、実際の社会で役立つ学びだと私は考えています。

(※)参照:高大接続改革の実施方針等の策定について(平成29年7月13日)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/07/1388131.htm