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「ゆとり教育」のメリットとデメリット。「ゆとり教育」とこれからの教育方針について

「ゆとり教育」のメリットとデメリット。「ゆとり教育」とこれからの教育方針について
詰め込み教育から、ゆとり教育へと変動し、現在では脱ゆとり教育が推奨されています。今回は、これまでの学習要項の歴史を振り返り、現代のニーズに合った教育方法を考えていきましょう。

ゆとり教育が実施された目的とは?

先日、テレビで「脱ゆとり」という言葉を耳にしました。ゆとり教育の目的とは、そもそもなんだったのでしょう?

ゆとり教育の主な目的は、お子さんの学習意欲を高める教育環境づくりです。学習範囲をしぼることで生徒さんの負担を減らし、自主的な学習の時間を増やしました。

週休二日制もゆとり教育の一環でしたよね。

はい。休みを増やすことで生徒さんが自主的に学習する機会を設ける目的がありました。そのほかにも、「総合的な学習の時間」や「問題解決を養う授業」が新しくカリキュラムに組み込まれたことでも話題を呼びましたね。

「総合的な学習の時間」とは、確か心を育てる授業と呼ばれるものですよね?

もう少し専門的に言うと、自発的に横断的、総合的な課題学習を行う時間です。外の世界で自ら課題を見つけ、考え、問題解決能力を見出すことを目的としています。フィールドワークやボランティア活動など、学校の外に出て行われることも多いようです。

「問題解決を養う授業」とは、具体的にどんな授業でしょうか?

プレゼンテーションやディベートなど、問題を定義し解決する思考力を養う学習のことです。ゆとり教育の最大の目的「考える力を養う」ための学習ですね。

大学では、プレゼンテーションやディベートなどが授業で積極的に行われているみたい。

最近では中学、高校からその機会を設け、自ら発信する力を養う動きがあります。これからの社会で求められるのは、発信力なのかもしれませんね。

ゆとり教育の歴史

ここで、ゆとり教育の歴史を振り返ってみましょう。2011年に「脱ゆとり」という言葉が生まれ、現在では「ゆとりでも詰め込みでもない生きる力を育む教育」が推進されています。日本の教育を見直すにはゆとり教育で得られたメリットを維持しつつ、新しい教育のあり方を探し当てる必要があります。


ゆとり教育の歴史

結局、ゆとり教育は効果があったのでしょうか?

メリットとデメリットの両方があると言えます。デメリットとしてあげられるのは、学力低下が懸念されたこと。そして、それまでの相対評価から絶対評価に切り替わったことも、教育の場に大きな影響を与えました。

私たちの世代は相対評価でしたよね。

そうですね。あともう1つには、ゆとり教育は「強制をされる教育」から「選べる教育」へと切り替わったことも特徴として挙げられます。この傾向をみると、国全体の学力が下がったのではなく、積極的に勉強するするお子さんとしないお子さんのあいだで学力の差が大きくなった、というふうにも読み取れます。

学力の差を埋めるために、学校の先生はなにか取り組んだことはあるのですか。

「達成すべきミニマム(最低限)」といった考え方が広まったことは、その1つだと思います。高い学力の生徒さんのことは考慮に入れながらも、クラスのほぼ全員が「ここまでは習得したい」という下限を意識しながら指導するものです。でも実際にはうまくいかないケースが多かったようです。

確かに勉強が苦手な子に合わせて授業をするのは魅力的な考え方だと思うけど、実際には難しいこともあるのね。

次に、ゆとり教育がもたらしたメリットについて考えてみましょう。ゆとり教育の利点は、自分の可能性を広げられるチャンスができたという点です。なにに興味があるのか、なにを学びたいのかを考えることは、生きる力に直結します。自由な時間は自由な発想につながり、豊かな人間性を育てることができるのです。

心の教育が充実した、ということですね。

自分の好きな分野について、特化して学べる環境ができましたよね。みんなと一緒に学ぶ、という概念から知りたいことを学ぶという姿勢に切り替わった印象があります。

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脱ゆとり教育とは

脱ゆとり教育とは、ゆとり教育によって削減されていた学習量を再び増やす教育です。「ゆとり教育」で懸念された学力低下問題を解決するべく、「脱ゆとり教育」への転換が図られました。

でも、ゆとり教育を経たことで生徒さんの心に余裕ができたという利点もあったわよね。

はい。その利点を生かした現代の教育が「詰め込み教育でもゆとり教育でもない新しい教育」なのです。現在、脱ゆとり教育では「生きる力を育成する」という理念のもと、アクティブ・ラーニングの導入を積極的に行っています。

アクティブ・ラーニング?

簡単に言えば、受け身で学習をするのではなく、能動的に学ぶということです。ゆとり教育で得た「自ら学ぶ」という姿勢を生かし、積極的に教育の場を提案していきます。もちろん、「自ら学ぶ」を支援するために、学校の先生方は「どのように学ぶか」といった点もかなり時間をかけて指導しますし、どのような手順で推論したり、討論したりするかといった内容にも踏み込んだ指導をしています。

私たち保護者も時代の変化に合わせて変化していくことが大切ですね。お子さんたちにとってどんな教育がいいのかを見直す必要があると感じました。

そうですね。お子さんに合わせた学習環境を整え、無理なく自ら積極的に学べる環境づくりが必要だと思います。ゆとり教育で得られたメリットを維持しつつ、学校では時代に合った教育を探っています。保護者はお子さんの選択の場を広げる学びに向けて橋渡しができたら理想的なのではないでしょうか。