第4文型とはどんな文型?

最初に、〈第4文型〉の特徴を簡単にご説明します。〈第4文型〉は〈S+V+O1+O2〉のかたちをとります。Oは目的語のことです。目的語とは、動詞(V)が表す行為の対象を示すもので、「…に」「…を」に相当する部分です。動詞の中には、「O1にO2を…する」のように、Oを2つ同時にとるものがあります。それが〈第4文型〉です。〈主語+動詞〉(S+V)のあとに〈目的語1+目的語 2〉(O1+O2)が2つ続くことが、〈第4文型〉の最大の特徴です。

では、目的語が2つ続くとはどういう状況なのでしょうか? たとえば、study(勉強する)は、study math(数学を勉強する)のように、目的語を1つとることができます。しかし、目的語を2つ続けてstudy him math(彼に数学を勉強する)とは言えません。一方で、give(与える)という動詞はgive him a chance(彼にチャンスを与える)と言えますし、buy(買う)もbuy her a doll(彼女に人形を買ってあげる)と言えます。このgiveやbuyのように「O1にO2を…する」と、動作が表す行為の対象を2つとる動詞が〈第4文型〉の文をつくることができる動詞です。〈第4文型〉をつくることができる動詞 は限られており、同じO(目的語)を伴う〈第3文型〉の動詞と比べると、その数は圧倒的に少ないことがわかります。

次の2つの英文をご覧ください。

【高校英語】第4文型を得意にするコツ-1

①②は共に〈第4文型〉(S+V+O1+O2)の文です。1つ目の目的語(1)は、間接目的語と言い、〈相手(通例は人)~に〉を示します。そして、2つ目の目的語(2)は、直接目的語と言い、〈(通例はもの)~を〉を示します。この〈S+V+O1(~に)+O2(~を)〉のかたちをしっかり押さえることが、第4文型の学習で最も重要になります。

 

 

第4文型(S+V+O1+O2)→第3文型(S+V+O)

〈第4文型〉〈S+V+O1+O2〉は、「SはO1にO2をVする」という意味を持ちます。注意したいのはこの〈V+O1(~に)+O2(~を)〉の順序です。整序問題や書き換え問題でも多く出題されますので、正しい順序を覚えておくことが大切です。
第4文型の基本形を覚えた上で、次に押さえておきたい内容が、「第4文型から第3文型への書き換え」です。第4文型の文は、第3文型に書き換えても意味はほぼ同じになります。

「…を」に当たる直接目的語(O2)を動詞の直後に置くと、〈第3文型〉(S+V+O)になります。その際、「…に」に相当する部分は修飾語句(M)として〈前置詞+名詞〉のかたちで表します。
たとえば、英文①②の(第4文型)の文を〈第3文型〉で表すと次のようになります。

【高校英語】第4文型を得意にするコツ-2

〈第4文型〉から〈第3文型〉に言い換える際、「…に」を表す〈前置詞+名詞〉の前置詞は、giveの場合はto、buyの場合はforです。giveやbuy以外の動詞も紹介しながら、以下に整理します。ぜひご活用ください。

1)〈S+V+O1+O2〉→〈S+V+O+to …〉の場合
○ bring+O1+O2 (O2をO1に持ってくる)
 → bring+O+to …
○ give+O1+O2 (O2をO1に与える)
 → give+O+to …
○ lend+O1+O2 (O2をO1に貸す)
 → lend+O+to …
○ sell+O1+O2 (O2をO1に売る)
 → sell+O+to …
○ send+O1+O2 (O2をO1に送る)
 → send+O+to …
○ show+O1+O2 (O2をO1に示す)
 → show+O+to …
○ teach+O1+O2 (O2をO1に教える)
 → teach+O+to …

2)〈S+V+O1+O2〉→〈S+V+O+for …〉の場合
○ buy+O1+O2 (O2をO1に買ってあげる)
 → buy+O+for …
○ choose+O1+O2 (O2をO1に選んであげる)
 → choose+O+for …
○ cook+O1+O2 (O2をO1に料理してあげる)
 → cook+O+for …
○ find+O1+O2 (O2をO1に見つけてあげる)
 → find+O+for …
○ make+O1+O2 (O2をO1につくってあげる)
 → make+O+for …

toは〈方向〉を示す前置詞であるため、〈第3文型〉でtoを伴う動詞は〈方向性〉を含む行為を表す動詞であり、toはその行為の「~へ」という〈方向〉 を示します。これに対し、〈第3文型〉でforを伴う動詞は、〈方向性〉を含みませんが、サービスになるような行為を表す動詞です。つまり、〈目的・対象〉を示すforはこの場合「~のために」という〈サービスを提供する相手〉 を示します。

それでは、これまでの解説を念頭におきつつ、実際の問題をご覧になってみてください。

■ 東京個別・関西個別(個別指導塾)の基本問題をご紹介!
第4文型が第3文型に書き換えられるということは、1つの日本語に対して2通りの英文の書き方があるということです。書き換えの理解を問う問題に取り組むことで、文法や動詞の語法の理解が深まると同時に、多様な表現の仕方を学ぶことにもつながります。
以下に東京個別・関西個別が第4文型の授業で扱う問題の一例をお見せします。ぜひお子さんと一緒に挑戦してみてください。

《問題》
次の1)~4)について、和文に合うように(  )内の指示に従って書き換えなさい。
1)彼は息子にいくつかの助言を与えました。
  He gave some advice to his son.(第4文型の文に)
2)彼に君の本を貸してあげなさい。
  Lend him your book.(第3文型の文に)
3)彼はその生徒に数学を教えています。
  He teaches math to the student.(第4文型の文に)
4)彼女は娘たちに服をつくってあげました。
  She made her daughters dresses.(第3文型の文に)

《正解》
1)He gave his son some advice.
2)Lend your book to him.
3)He teaches the students math.
4)She made dresses for her daughters.
《解説》
1)「AにBを与える」は、〈第4文型〉では〈give A B〉、〈第3文型〉では前置詞toを伴って〈give B to A〉と表します。そこから、問題文の gave some advice to his son を gave his son some advice という〈第4文型〉に書き換えます。
2)「AにBを貸す」は、〈第4文型〉では〈lend A B〉、〈第3文型〉では前置詞toを伴って〈lend B to A〉と表します。そこから、問題文の Lend him your book. を Lend your book to him. という〈第3文型〉に書き換えます。
3)「AにBを教える」は、〈第4文型〉では〈teach A B〉、〈第3文型〉では前置詞toを伴って〈teach B to A〉と表します。そこで、問題文のteaches math to the student を teaches the student math という〈第4文型〉に書き換えます。
4)「AにBをつくってあげる」は、〈第4文型〉では〈make A B〉、〈第3文型〉では前置詞forを伴って〈make B for A〉と表します。そこで、問題文の made her daughters dresses を made dresses for her daughters という〈第3文型〉に書き換えます。

ここまで、〈第4文型〉(S+V+O1+O2)について、以下の3つを整理してきました。
○ 基本的な考え方
○〈第3文型〉との関係
○〈第4文型〉で用いられる主な動詞

〈第4文型〉の動詞自体は限られています。しかし、〈第3文型〉と言い換えたり、〈第5文型〉と区別したり、他の文型の理解にも関わる重要な文型です。
文型は「文の〈基本〉型」です。どれだけ複雑に見える文も、この〈5文型〉のいずれかに分類ができます。英語において、「どのような文でも型に当てはめて理解する」ことができるようになると、複雑な文を理解できます。〈5文型〉を理解することは、お子さんの今後の英語学習をスムーズにするのに役立ちます。

しかし、文型の理解と活用は慣れるまで時間がかかります。「文型」のときだけでなく、その後の英語の学習において文型を意識した学習を行うと、大量の英文を読んでいく今後の英語入試に必要な力をつけることにつながります。文型の判別に悩んだり、質問したいと感じたりする場合には、個別指導塾をご活用いただくのも1つの手段です。

東京個別・関西個別では、ご家庭のご要望や、お子さまの学習状況に合ったカリキュラムを作成しております。苦手意識があっても、お子さまの理解度に合わせて必要な勉強を見極めて進めていくので、無理なく「できる 」ようになっていきます。無料の学習相談会も実施しておりますので、勉強や受験にご不安やお悩みがありましたら、まずはご遠慮なくお問い合わせください。

 

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