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都立高校の特徴と受験に関する基礎知識

都立高校の特徴と受験に関する基礎知識
「都立高校とはどんなところ?」、「ほかの学校とどういう点が違うの?」、「偏差値や入試制度はどうなっているの?」、などなど。今回は都立高校についての素朴な質問にお答えします。

都立高校の特徴は大きく4つ

先日の三者面談で「進路や志望校について、ご家庭でも話し合ってみてください」と言われました。東京には都立高校がたくさんありますが、それぞれの違いや特徴がわかりません。マスター、都立高校ってどんなところですか。

都立高校とは、東京都教育委員会が管轄する高等学校です。特徴は大きくいうと、次の4つあります。
① 授業料や入学金などの学費面が、私立高校に比べて安い 
② 教育課程や学科の幅が広い 
③ 学区制が廃止されて全区制になった
④ 先進的な取り組みをしている高校が多い

学費が安いのは無償化のおかげですね。

はい。都立を含めて国公立高校の授業料は全日制高校なら年11万8800円です。なお、所得要件がありますが、平成22年度から無償化されています。

教育課程や学科の幅が広いとのことですが、どんな種類がありますか。

課程でいうと全日制の高校が多いですが、夜間に通う定時制や自宅でも学習可能な通信制の高校があります。
学年制はそれぞれの学年で習得すべき単位が決まっていて、1年生、2年生、と学年が上がっていく学校です。単位制は学年がなく、在学している期間中に必要な単位をそろえていきます。普通科はまんべんなくさまざまな教科を勉強するのに向いています。専門学科は特定の教科を重点的に勉強できます。総合学科は普通科と専門学科の両方から選択履修できます。

学び方も通学スタイルもいろんな学校があるのですね。では、③の学区制の廃止とはなんですか。

以前は学区制といって、居住地のエリアによって受験できる高校が決まっていたのです。しかし、これは平成15年度に廃止されました。つまり、今は都内に住んでいれば、どこの都立高校でも受験できます。
④については、先駆的にさまざまな取り組みをしている高校が多くあります。

たとえば、どんな高校ですか?

2009年開校の大田桜台高等学校は、ビジネスコニュニケーション科の専門高校で、英語教育とビジネス教育に力を入れています。2011年開校の王子総合高等学校は、選択授業を多く設けて、多様な学びを実現しています。ほかにも、不登校の生徒さんなどを積極的に受け入れるチャレンジスクールなどもあります。

新しいタイプの高校が次々にできているのですね。今の高校生はいろんな学び方ができて、うらやましいです。

私も同意です。都立高校は、お子さん本人にとっては、自分に合ったカリキュラムや校風、通学しやすい学校を選んで受験できるのが魅力ですね。保護者にとっては、経済的な負担が軽いのが魅力といえるでしょう。

都立高校に進むための学力と入試状況

都立高校を受験するとしたら、学力はどれくらい必要ですか。目安が知りたいです。

東京では、安定した学力を持つお子さんの進学先として都立高校が選ばれる傾向が強いですね。トップクラスの学力を持つ生徒さんは、私立の難関高校を受験するケースが多いようです。都立は、学力的には東大を目指すレベルから中堅レベルまでということになるでしょうか。普通科を目指すなら、内申点が「オール3」以上を目指したいところです。足りない部分は中学3年までにキャッチアップできるようにがんばってください。

うちの子は、高校に入っても運動部を続けたいと言っているのですが、そういった場合にも都立高校は進路先としてどうでしょうか。

学校にもよりますが、一般的に都立高校は「文武両道」の気風を大切にしているところが多い印象です。そういう意味では、美香さんのお子さんのように、スポーツも勉強もがんばりたいというお子さんの進路先として向いているのではないでしょうか。

倍率はやはり高いのですよね? 人気の高校になると2倍を超えてくることもあると聞きました。

いわゆるトップ校といわれる高校などは毎年高倍率になっていますね。また、全区制で都内の遠方から通ってくる生徒さんもいるので、都心のアクセスのよい場所にある高校は人気が高くなりがちです。偏差値だけでは単純に推し量れない合格難度があるのです。参考までに平成29年度のデータ(※2)を挙げておくと、全日制普通科の一般入試倍率で、男子が1.39倍、女子が1.44倍でした。

入試の方法はどうなりますか。

推薦と一般があります。推薦入試は、「一般推薦」と「文化・スポーツ等特別推薦」の2種類です。ポイントをまとめると、次のようになります。
・学力考査は行われない
・選抜は調査書(内申書)、面接、作文、実技などの検査で行われる
・平成30年度の入試日程は、願書受付が1月23日/実施が1月26、27日/合格発表が2月1日

一般入試よりも前に行われるということは、都立に行きたいお子さんは推薦をねらってきますよね。

そのとおりです。入学希望者が殺到するので、ほとんどのケースで狭き門になります。続いて、一般入試については次とおりです。
・学力検査点+内申点の合計点によって選抜。
  全日制の場合、原則として「学力検査点700点」「内申点300点」の1000点満点。面接や実技がある学校は、それらの得点も加えた総合成績順で選抜。
・一次募集の日程は、願書受付が2月6、7日/実施が2月23日/合格発表が3月1日
・都立高校の普通科は、男子と女子で別々に人員募集される。

男女別で定員が決まっているのですか?

そうなんですよ。そのため、内申点+学力考査が同点でも性別で合否が分かれることがあるのです。ただ、それでは不公平だという声もあり、「男女別定員制の緩和」がもうけられています。募集人員の9割は募集人員どおりで、残りの1割は性別を限定せず、成績順で合否を決めるというものです。専門学科、総合学科、普通科のコース制・単位制は男女合同です。

都立高校の入試対策と学校選びのポイント

どんなふうに都立受験対策をすればよいでしょうか。

まず推薦入試での合格をねらうなら、内申点が大きく影響します。内申点は、中学校から提出される「調査書」の内容を点数化したものです。中学校生活がそのまま反映されますので、定期テストだけでなく、日ごろの提出物や授業中の態度、出欠状況や部活動など「学校生活全般」が対象になります。対策としては、「内申点のためにがんばる」というよりも、「中学校生活を楽しむ」ことで、結果的に内申点がよくなると考えるとよいと思います。

わかりました。「日々を楽しく、ていねいに」ですね。

「日々を楽しく、ていねいに」は、よい合言葉ですね!すべての学生に心に留めてほしいです。一般入試の学力考査については、受験する高校の過去問題を解いてみましょう。都立高校の入試問題は共通の入試問題を採用する学校が多数を占めていますが、旧学区のトップ校やそれに準ずる学校では、より難度の高い入試問題を出題しています。

共通の入試問題の学校と、より難度の高い入試問題を出題する学校を目指すのかは大きなポイントになりそうですね。

そうですね。ここ最近の動きで注意したいのは、後者のほうです。実は2018年度から進学指導重点校で自校作成問題が復活するのです。これまではグループ作成問題実施校では、同一の問題が出題されていたのですが、2018年度からは各学校オリジナルの問題が出題されるということは頭の片隅に入れておいてください。

都立入試といっても、いろいろと押さえるべきことが多くて大変ですね。

もし都立高校受験でわからないことがあれば、駅前にある大手個別指導塾の無料学習相談(予約制)などの機会を利用してみてはいかがでしょうか。お子さん本人の学習定着度や時期に合わせて客観的な立場からカウンセリングしてもらえることでしょう。実際に毎年都立高校に送り出している教室長や教務スタッフ、講師のみなさんから生きたアドバイスを聞くと、これからやるべきことが明確になると思いますよ。

参考にします。今日は都立高校にもいろいろな学校があること、自分に合った高校を選ぶことが大事ということがわかりました。ありがとうございます!

(※1)参照:『都立高校における取組等について』(東京都教育委員会)
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/seisaku/seisaku_sougoukaigi/siryou2902_01.pdf
(※2)参照:『平成30年度 都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査の結果について』(東京都教育委員会)
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2018/pr180109a/01.pdf
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2018/pr180109a/02.pdf