いよいよ受験生となった中学3年生の心構え

保護者

4月から新学年ですね。中学3年生はいよいよ受験生になると考えるとちょっとドキドキしてきませんか?

保護者

そうですね。学校でも友だち同士で受験の話題が出ているみたいです。うちの子も受験生になる意識が高まってきていて、これまで以上に勉強に気をつかっている姿が見られてうれしいです。

教室長

受験を意識できているのはいい傾向ですね。一般的に「中学2年の秋ごろから強く高校受験に向けて意識し、2学期または後期以降の内申点に強いこだわりが持てると理想的」と言われています。

保護者

中学2年生の秋ごろですか?すこし早いような気もしますが理由があるんでしょうか?

教室長

学力同様、内申点は一朝一夕には上がるものでありません。都道府県によって高校受験で使う内申点は異なり、中学3年の2学期の内申点のみ使う場合もあれば、さらに広い期間の内申点を用いる場合もあります。とは言え、基本的には中学2年生までの内申点に積み上げるかたちで中学3年の内申点が決まります。もし、志望校合格の目安となる内申点に届いていなければ、早めに受験を意識することが大切になってきます。

保護者

勉強だけでなく内申点についても早めに意識しておく必要があるんですね。

保護者

スタートが早いほうがいいことはわかりました。でも、うちの子は「中学3年生になったら、受験勉強をしなくてはいけないな」といった漠然とした感覚しかまだないかもしれないわ。

保護者

うちの子も長期休暇中の勉強計画や、定期テスト対策についてはだいぶできるようになってきたと思いますが、範囲の広い受験勉強でもうまくできるか不安です。

教室長

受験勉強となると、これまでの長期休暇や定期テスト対策とはやはり変わってきます。学校の授業で勉強していることだけでなく、中学1年生からの復習が必要になりますので、範囲が限られた定期テストよりもはるかに多い勉強量が求められます。また、復習だけでなく苦手分野の克服や、志望校合格のために成績全体のアップ、出題傾向に慣れるための過去問演習なども必要になります。

保護者

勉強量に加えて、長期間継続して勉強できるかも受験勉強にとって必要なことですよね。

教室長

そうですね。受験勉強は長期戦になるため、やる気を持続させていく必要があります。受験の日程はおおよそ1月末の推薦入試、2月中旬ごろからの前期日程、3月上旬の後期日程になります。入試から逆算して1年間の勉強計画を立てていくと、今自分がなにをすべきかがわかるので、モチベーションがあがると思いますよ。

保護者

なるほど。逆算して考えると「早く始めないと!」と意識してくれるかもしれませんね。量や期間は変わるものの、これまでの長期休暇中のテスト対策のように、スケジュール管理が大切になってきますね。

教室長

おっしゃるとおりです。では、新学期から始まる4~6月、7~9月、10~12月、1~3月の4区切りで受験を考えていきましょう。

3ヵ月ごとの4シーズンで受験を考えてみよう

教室長

長期にわたる受験勉強なので、まずは約3ヵ月ごとの4シーズンで考え、大まかな目標を立てていきましょう。
①4~6月
この時期は、修学旅行や部活動の大会などのイベントもあるので、本格的な受験勉強に取り掛かりにくい時期です。勉強の目標としては、定期テスト対策をしっかり立てて、中学3年生の勉強についていくことと、部活動との両立を図りながら内申点を上げることを意識してください。また、4月から6月は進学先について考え始める時期でもあります。併願推薦や単願推薦を使う人は、1学期のうちに検定試験や模擬試験の成績など、必要な要件を確保しておきましょう。

保護者

4月から6月はまだ部活動もあるから、勉強との両立を図りながら内申点のアップに期待できる時期なのね。

保護者

推薦枠の利用を検討しているなら、内申点がどのくらい必要なのかなどを知るためにも、中学2年の秋ごろから志望校の目安をつけないといけませんね。

教室長

きちんと目標を決めることで対策も取りやすくなりますよ。次に夏休みを挟んだ3ヵ月も見ていきましょう。
②7~9月
学校の授業のない夏休みは学力の底上げが期待できる期間です。夏休みは基礎の完成を目標にしてください。中学1年生の単元から総復習する場合には、塾の夏期講習がおすすめです。また、夏休みにオープンキャンパスなどのイベントを実施する高校も多いので、そちらも参加してみるといいでしょう。校内の雰囲気や具体的な高校生活に触れる機会なので、「ここに通いたい!」という思いがモチベーションの維持につながります。

保護者

学校見学には積極的に参加してみようと思います。家庭学習だけではフォローしきれない部分があるので、夏期講習は心強いですね。

保護者

塾が持っている情報を聞きながら志望校選びをするためにも、夏期講習を利用しようと思っています。

教室長

学校見学に行く際には、通学経路や通学にかかる時間も気にしてみてください。
夏休み中に志望校をしぼれるといいと思います。いよいよ受験直前になる次の3ヵ月も見ていきましょう。
③10~12月
夏休み中に基礎ができ上がったら、難度の高い問題に挑戦していきましょう。合格を目標に、学力を伸ばしていきたいのがこの時期です。また、「高校入試問題集」や志望校の過去問などで入試問題に触れながら、苦手な分野の洗い出しと復習も行いましょう。冬休み明けから入学願書の提出が始まるので、模擬試験の結果を含めて、家族で話し合って志望校の最終決定を出す大事な時期でもあります。いつもとは違う学校以外の場所で模試を受けてみて、入試の雰囲気を実際に感じてみることも大切です。

保護者

模擬試験の客観的な判定を見て出願校選びの参考にするんですね。腕試しもかねて、忘れずスケジュールに入れておくようにします。

教室長

1月からいよいよ入試が始まります。
④1~3月
1月で注意したいのは、不安や焦りから新しいことを始めてしまうことですね。しかし、この時期に大切なのは新しいことを始めるのではなく、今までのテストや過去問をくり返して、理解を確実なものにしていくことです。身体に疲れが出てきやすい時期なので、体調管理もこれまで以上に重要になります。これまでの自分の努力を信じて、受験本番に力が発揮できるように挑んでください。

保護者

こうして見るとあっという間ですね。ハードな1年間になりそうです。

保護者

思っていたよりも時間がないんですね。長期戦になるからこそ、がんばる子どもをしっかりサポートしてあげたいですね!

時間を有効的に使うために気をつけたいポイント

教室長

受験をひかえる1年は、このような流れで目標を立てていきましょう。4つの区切りでの長期的な目標の目途がついたら、そこからまた逆算して1ヵ月ごとの中期目標、1週間単位、1日単位の短期目標を立てるようにしましょう。具体的な勉強計画や目標が立てられるといいですね。

保護者

逆算して目標を立てていく勉強計画のつくり方は、長期休暇や定期テスト対策で実践してきたことなので、これまでの経験を受験にも上手に生かしていきたいと思いました。

教室長

逆算のしかたがピンとこなかったり、スケジュールとズレが出てきたりしたときの調整方法がわからないときは、駅前にある大手個別指導塾の無料学習相談などを利用するのも有効です。ぜひ相談してみてください。

保護者

わかりました。

教室長

受験勉強で気をつけたいのは「量より質」という点です。長期的な目標を立てる「大きな目」と、それを達成するために苦手克服、問題を解くスピードを上げるといった具体的な目的を見つけて取り組むことができる「小さな目」、その両方を上手に使い分けて受験勉強に取り組んでください。