ローマ数字とは?

日常生活の中でも見かけることがある「ⅠⅡⅢⅣV…」のように表記する数字が「ローマ数字」と呼ばれ、主に1から 3999 までの数を表すことができます。
ローマ数字は、順序や番号を表すのに用いられることが多く、たとえば本の章や節、時計などで目にすることがあるかもしれません。

ほかには「エリザベスⅡ世」など歴代の国王を表す時の表記や、「数Ⅰ・数Ⅱ」などの科目名でも使われています。

ちなみに、時計の文字盤では4を示すところに「Ⅳ」ではなく「IIII」が用いられていることがあります。これには諸説あり、ローマ神話の最高神であるユピテル (IVPITER) の最初の2文字と重なることから神への冒涜を避けるためだとか、「Ⅳ」と「Ⅵ」が見分けにくいからだとか、文字盤の製造を効率的にするためだとか、さまざまですが、真相は定かではありません。

ローマ数字の「基本ルール」

ローマ数字には数字を表現するための「基本ルール」が存在します。これを覚えていれば、読むとき、書くときにも迷わないはずです。

【基本の数字】
まず、ローマ数字の「Ⅰ, V, X, L, C, D, M」 は基本の数字として扱われて、アラビア数字の「1, 5, 10, 50, 100, 500, 1000」と対応しています。
それ以外の数は、基本的に上記の7つに足すか引くかで表していきます。

【基本の数字に足す】
足す場合は、左から大きい順になるように、基本の数字の右側に並べて書きます。
(例)12は「10+2」なので、XⅡと表す

【基本の数字から引く】
また、大きい数の左側に、小さい数を書く場合は、右の数から左の数を引くという意味です。
(例)9は「-1+10」なので、Ⅸと表す

大きな数を表す場合、たとえば2019であれば、

2019を分解して、「1000 × 2」+「10 × 1」+「-1+10」なので
「1000×2」…MM
「10×1」…X
「-1+10」…Ⅸ

となり、これらを左から順に並べることで数字を表します。2019はMMXⅨとなり、暗号のようで、ちょっと難しいですね。
ちなみに、ローマ数字に「0」はありません。

ローマ数字はどう発音する?

「基本ルール」に沿った書き方はみましたが、読み方はどのようになるでしょうか。たとえば英文の中に「Queen Elizabeth Ⅱ」のような表記が出てくる場合、「Ⅱ」はどのように読めばいいでしょうか。
実はこれが少しややこしく、たとえば「エリザベス2世」は英語で「Elizabeth Ⅱ」と表しますが、読み方は「Elizabeth the Second」です。

一方、「第二次世界大戦」はしばしば英語で「World War Ⅱ」と表されますが、この時は「world war two」と発音します。
ローマ数字を声に出して発音する機会はそれほどないとは思いますが、迷う場合はその都度調べて覚えていくようにしましょう。

ローマ数字についてどのくらいご存知でしたでしょうか。
世の中ではどのような表現にローマ数字が使われているのか、なぜ使われているのかに注意してみることで、面白い発見があるかもしれませんし、お子さんと探し合ってみるのもいいでしょう。

また、ローマ数字の表記のルールを覚えておけば、「Ⅳ」「Ⅵ」はどっちが4でどっちが6か…とあやふやにならずに済みます。日常的にはそれほど使う頻度がないローマ数字ですが、ひとつの知識として、覚えておくと役立つことがあるかもしれませんね。