早期英語教育とは

保護者

早期英語教育って言葉、ご存じですか?

保護者

英語学習を中学校入学前に行うことよね。この前知ったの。

保護者

私の友だちが、小学校入学のときからお子さんに英語を習わせるって言っていて、うらやましいなあと思ったんです。うちももっと早くに習わせておけばよかったって思って。

保護者

実際はどうなんでしょうね。あまり小さいうちからやっても、私は効果がなさそうに思えちゃうんだけど。

保護者

うーん確かにそういった意見もありますよね。どうなんでしょう。教室長、早期英語教育っていつから話題になったんですか?

教室長

もちろん以前から議論はあったようですが、公教育の場で小学生の英語が本格化したという意味では、ポイントになるのが2013年になります。英語教育改革実施計画が発表され、小学校中学年で週1~2コマ、高学年では週3コマ程度の英語学習を行っていくことが決定されたんです。

保護者

そこからなんですね。そういえば授業プログラムなんかがすこし変わったって聞きました。

教室長

ええ。2020年には小学校3年生から英語が必修化、小学5年生からは英語の教科化も実施される予定となっています。

保護者

時代の波なんでしょうかね。 

早期英語教育のメリット・デメリット

保護者

やっぱり国も早くに英語を学習させたいってことなんですね。でも、そもそもなぜ早くから英語を勉強すれば効果的って言われているんですか?

教室長

あくまでひとつの学説ですが、言語の臨界期の考え方からきています。

保護者

りんかいき?

教室長

臨界期とは、人間の一生においてもっとも脳の働きがさかんな時期と考えられています。そして日本語を覚えていく過程で一緒に外国語を覚えられる時期といわれているんです。ただし、臨界期には諸説あります。数ある仮説の中の1つでは、臨界期は9~10歳ごろとあり、そのころからの英語学習が必要と説く人が多いのが現状ですね。

保護者

どうして日本語と同時並行で英語を覚えていけるのですか?

教室長

脳内に「外国語の部屋」がつくられるためです。早期に英語学習を始めれば、言語中枢分野に「日本語で考える領域」と「英語で考える領域」の両方がつくられます。このことで、2つの言語を操りやすくなるんです。大人になってからの英語学習だと、日本語で考える部分が多く、頭の中で英語を中心に考えにくくなることが難しくなるんですね。

保護者

へえ!全然知りませんでした。

教室長

臨界期には諸説ありますし、まだ人の発達についてはよくわかっていない部分もあるのです。ですが、私は早期英語教育のメリットは、お子さんが楽しんで英語を学べること、これが大きいのではないかと考えています。

保護者

確かに早期の英語教育は、楽しさに重点がおかれていますよね。さまざまなアクティビティ、たとえば歌やゲームなどを通して学ぶことが一般的のような気もします。

教室長

そうですね。それらのアクティビティを通じて英語を受け入れ、楽しく学ぶことで、総合的な英語能力の土台ができるのではないかと思っています。

保護者

ああ、私もやっぱり小学校低学年から、子どもに英語を学ばせるべきでした!

教室長

早期英語教育は大切ですが、もちろん心配しないといけないこともありますよ。

保護者

えっ、そうなんですか?

教室長

まず小学校低学年は、論理的思考力が未熟な時期であることは忘れてはいけません。いたずらに英語学習にばかり時間を使うと、2ヵ国語ともに未熟なまま大人になってしまう可能性があり、論理的思考力の発達が不利になる可能性もあります。

保護者

でも小さいころから、バイリンガルの人もいますよね?

教室長

バイリンガルのお子さんについては、環境面の影響も大きいことを忘れてはいけません。それにそもそもバイリンガルとはあくまで2ヵ国語を同水準で話せることを指します。日本語の学習がおろそかにならないよう、注意する必要はありますね。

保護者

そうなんですね。日本語もきちんと学びつつ、英語を効率よく楽しく学ばせないといけませんね。

教室長

ええ。でもお子さんの意見も尊重してくださいね。この時期のお子さんはやりたいことがたくさんあり、遊びが楽しい時期と言えます。保護者が勝手に英語を習わせて、結果を求めすぎないように注意することも大事です。

保護者

自発性をはぐくむことが大事ということですか。

教室長

そうです。この時期に苦手意識など、負の強い感情がつくと、これからも英語がきらいになってしまいます。あくまで英語のことを好きになってもらうことを前提に学ばせる必要があると思いますね。

保護者

そうなんですね。安易に習わせればよいというわけではないですね。

早期英語教育の課題

保護者

でも「お子さんに幼いころから英語を習わせる」って、ずいぶん前から言っていた気がします。その割には、なんだか早期英語教育があまり進んでいない気もしますね。

教室長

日本において小学生英語はまだ経験の蓄積が浅い領域なんです。早期英語教育に対応できる体制には学校ごとに差があり、全体的に見てまだ不十分な点もあるのでしょう。

保護者

現時点における早期英語教育の方向性みたいなものはあるのですか?

教室長

文科省の方針では、小学校高学年における評価に当たっては、外国語学習の初期段階であることを踏まえ、語彙や文法といった知識の量ではなく、コミュニケーション学習による評価を行っていくことになっています。ただ、従来の英語教育で語彙や文法の学習に力を入れていたぶん、実技などにおける授業体制が整っていない傾向にあるとは言えますね。

保護者

そうですか。でも、コミュニケーション学習って楽しそうですね。それを通して成長してほしいです。

教室長

そうですね。使える言語が増えるだけで、活躍できるフィールドが2倍にも3倍にもなることを、今のお子さんたちにはよく知ってほしいですね。将来の就職に役立つといったことだけではなく、海外で驚くような発見や出会いがあるかもしれませんからね。

保護者

確かに、お子さんたちにとって刺激になりそうですね。

教室長

私はそう信じています。未知なる発見や出会いはお子さんの心を強く刺激し、自分の夢や目標の構築につながることもあります。まさに未知の可能性を切り開くカギが言語であるため、お子さんをサポートする側も、それがいかに楽しいか伝え、一緒に学習していくくらいの協力体制が必要になってくるのではないでしょうか。 

※参考URL
グローバル化に対応した英語教育改革実施計画 文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2014/01/31/1343704_01.pdf 
今後の英語教育の改善・充実方策について 文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/houkoku/attach/1352464.htm