決して安くない「学習塾の費用」。
塾ごとの料金の差で、サービスはどのように変わってくるのでしょうか?
料金の安さを重視する方はもちろん、料金より成績アップや合格実績を重視する方でも、気になるポイントなのではないでしょうか。
この記事では、学習塾の「平均的な料金相場」をお伝えするとともに、「塾の料金に差が生まれる10のポイント」もご用意しました。
いま通塾を検討している学習塾の月謝がサービスと見合うものなのか、記事を読み進めながら確認してみましょう。
目次
塾通いにかかる費用の平均【学年・タイプ別】
それではさっそく、お子さま1人を学習塾に通わせるのに必要なおおよその料金をご紹介します。
お子さまの学年や、通わせたい塾のタイプ(集団塾・個別指導塾)によって、塾費用の相場は異なってきますので、ぜひ参考にしてみてください。
※実際に支払う料金とは異なることもあるので、あくまでも目安としてご利用ください。
通塾費用の詳細は、検討している塾に問い合わせてみることをおすすめします。
集団塾・個別指導塾の料金相場
まずは、集団塾と個別指導塾の料金相場をご紹介します。
項目 | 集団塾 | 個別指導塾 |
授業料(月額) | 9,900円~21,000円程度 | 15,000円~35,000円程度 |
入会金 | 0円~25,000円程度 | 0円~35,000円程度 |
教材費 | 必要(授業料に含まれていることもある) | 必要(授業料に含まれていることもある) |
定期テスト前 補講費 | 授業料(月額)に加えて 0円~15,000円程度 |
授業料(月額)に加えて 0円~15,000円程度 |
講習費 | 春・夏・冬期ごとに 20,000円~500,000円程度 |
春・夏・冬期ごとに 20,000円~500,000円程度 |
その他の費用 | 指導料、テスト費、施設費、維持費などがかかる場合もある | 指導料、テスト費、施設費、維持費などがかかる場合もある |
※授業料は週1回通塾・1科目受講の場合を想定して算出しています。
※授業料や講習費は、授業回数・講習日数や科目数によって、上記より高くなる場合があります。
それぞれの料金には幅があり、特に個別指導塾では塾によっての幅が大きいことが分かります。
夏期講習などの季節講習や、目的に応じた特別講習を受ける際の「講習費」も塾ごとの料金差が大きく、高額なところだと50万円ほどになることもあるようです。
上記の表で取り上げた項目以外に、塾によっては「指導料」「施設費」などの名目で月額2,000円~3,000円程度かかることもあります。
小学生・中学生・高校生の塾費用
つづいて、塾費用を学年別・タイプ別(集団塾・個別指導塾)に見ていきましょう。
塾費用は、学年が上がるにつれて費用も増えるのが一般的です。ここでは、小学6年生・中学3年生・高校3年生の塾費用を調査した結果をご紹介します。
学年 | 小学6年生 | 中学3年生 | 高校3年生 | |
授業料の平均(月額) | 集団塾 | ¥28,554 | ¥36,081 | ¥41,021 |
授業料の平均(月額) | 個別指導塾 | ¥33,797 | ¥36,550 | ¥45,523 |
※週1回の通塾を想定して算出。授業回数や科目数によって、実際の授業料は上記より前後する場合があります。
小・中・高、すべての場合で、集団塾より個別指導塾のほうが費用相場は高めになっています。
実際は、授業料のほかに教材費や講習費などがかかるので、毎月の支出額はもう少し高くなると考えておくと良いでしょう。
【費用相場の調査対象とした学習塾 (五十音順)】 市進学院、栄光の個別ビザビ、個別教室のトライ、個別指導塾スタンダード、城南コベッツ、スクールIE、東京個別指導学院・関西個別指導学院、東進ハイスクール、TOMAS、明光義塾、四谷学院、臨海セミナー、早稲田アカデミー |
安さだけで選んでない?塾の料金に差が生まれる10のポイント
学習塾の費用について、おおよその料金相場をご紹介しました。
通おうとしている塾の料金と比べて、相場はどうでしたか?
なかには「通塾を検討している塾は相場より高すぎて、何か不安だわ……」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
だからといって、「相場より料金が高い塾は宣伝費におカネをかけすぎている」とか、逆に「料金が高い塾はどこもサービスが手厚い」と考えるのは早とちりかもしれません。
では、どうして塾の費用にこのような違いが出るのでしょうか。
ここからは、料金を左右する10個のポイントをご紹介します。項目が少し多いですが、ぜひ読み進めてみてくださいね。
①指導形式による料金差:お子さまに合う形式かどうかをチェックしよう
指導形式には、大きく分けると「集団指導」と「個別指導」の2つがあり、一般的には集団指導よりも個別指導の方が料金は高くなります。
しかし、お子さまの性格として個別指導の方が合っている場合、料金の安さで集団指導の塾に決めてしまうと、指導形式がお子さまにマッチせずうまく行かないことも……。
「お子さまの性格に合った指導形式かどうか」を重視してチェックしたほうが良いでしょう。
また、同じ個別指導塾といっても、塾によって料金には差があります。
講師と生徒が1:1で授業を受ける場合、1人の生徒に講師がつきっきりになるので、1:2以上の少人数指導の場合よりも料金が高くなります。
個別指導でもできるだけ料金を抑えたいなら、演習時間は生徒1人で問題を解き、問題の解説のときには講師がつきっきりになる「1:2」の形式がおすすめです。
演習と解説のバランスが取れるので、講師が常につきっきりになる1:1の個別指導よりもリラックスして授業を受けられる、という方もいます。
1:1の授業が良いか1:2のほうが良いかは、お子さまの性格によっても変わります。
常に講師がつきっきりな1:1の授業では、お子さまが息苦しさや緊張感を感じてしまうこともあるかもしれません。
ここでも、お子さまの性格に合った指導形式か、という点からのチェックが有効です。
②授業の時間単価:「長時間=お得」は本当?授業の進み方・時間配分が大切
1回の授業は60分~120分程度で、塾によって長さは変わります。
授業60分あたりの単価に直したとき、授業料の価格帯が近いなら授業時間が長い塾のほうがお得だと感じますよね。
しかし「お子さまの成果」に着目すると、実はそうでもないのです。
1回ごとの授業の内容や進み方、時間配分は塾によって異なります。
授業中の時間の使い方に着目したとき、授業内の演習中に他の生徒が解き終わるのを待つ時間、すでに理解できている単元の説明を聴く時間など、お子さまの成績アップのために使われているとは言えない時間もあります。
一方、お子さまの性格によっても、成果につながりやすい授業時間は異なります。
長い授業時間の中で演習問題を周りより早く終わらせることが勉強のモチベーションアップになる場合もあれば、短い授業時間でお子さまに必要なことを効率よく学ぶのが向いているケースもあるのです。
期待される成果が出るかどうかは、授業時間の長短だけでは見極められません。
授業時間の中でどのような時間配分で学習を進めていくのか、その授業がお子さまに合っていて、料金面でも見合っていると思えるか、体験授業などを通して確認することが大切です。
③毎月の授業回数による料金差:5週目の授業の有無や扱いはどうなっている?
つい見落としがちなのが「5週目の授業の扱い」です。どの塾も、授業回数は同じだと思っていませんか?
月に5週目のある場合、5週目には授業がなかったり、授業を受ける場合は追加料金がかかったりする塾もあります。
タイミングによっては、定期テスト直前の授業がなくなってしまう場合も……。テスト直前の授業がないと、お子さまがわからないことを質問できずに、テスト対策に不安を残してしまいますよね。
5週目の授業の扱いについて、授業の有無や追加料金がかかってしまうのかを確認しておきましょう。
④教材費:つい忘れがち!別途料金がかかる場合が多い
「教材費のことは考えていなかった!」
「こんなに教材費がかかるとは思わなかった……」
というケースは意外と多いもの。
教材費は月謝に含まれていない場合が多く、教材を購入するタイミングで月謝とは別に支払うことになります。
まなビタミン編集部が調査したところ、年間10,000円程度の教材費がかかることが分かりました。
市販のものではない専用教材を使う塾の場合、教材が市販のものより値段が高いケースがあり、お子さまのレベルに合っていない可能性もあります。
塾ごとのノウハウが詰め込まれた良い教材もありますが、塾によって質はまちまちなのが現実です。
一方で、市販の教材や学校の教材を使って授業をしてもらえる塾もあります。
お子さまのレベルに合った教材を選びやすいだけでなく、教材費を抑えられるメリットもあります。
入塾前に、塾のテキストや問題集を見せてもらったり、教材費の内訳を聞いたり、塾指定外のテキストの指導が受けられるか質問したりして確認しておきましょう。
⑤定期テスト前の補講:無料で受講できればお得!
定期テスト前の補講は、通常授業の一部としてテスト対策を行う塾もあれば、追加授業・特別授業として追加費用がかかる塾もあります。
「定期テスト対策のために今月だけ授業時間を増やしたら、通常の授業料とは別に料金がかかって予想よりも高くついてしまった……」という失敗は避けたいですよね。
テスト前の補講を行っている塾では、通塾している科目だけが補講の対象となるケースが多いですが、なかには通塾していない科目でも補講を受けられる塾もあります。
「数学は普段の授業でしっかり対策できているから、テスト補講は英語で受けたい」など、通っている科目以外も補講で対策できるのは心強いですよね。
⑥授業の振替:無料でどこまで柔軟に対応してもらえる?
集団塾では、授業の振替は基本的にありませんが、その分授業料が安めに抑えられています。
一方の個別指導では、ほとんどの塾が振替授業に対応していますが、振替条件や振替の回数制限、振替期間などが塾ごとに異なります。
入塾前に、振替にかかる料金や連絡方法、融通が効きやすいかなどの点をチェックしておきましょう。
授業前日までに連絡が必要だったり、付きの振替可能回数に制限があったりする塾も多いなかで、当日の授業開始前までの連絡でも無料で回数に制限もなく、振替に対応してもらえる塾もあります。
授業を休むような急用や部活などが入らないのであれば、振替は無くても問題ないでしょう。
しかし、急な予定変更や風邪・感染症などの体調不良で、どうしても授業に行けない日が出てくるかもしれませんよね……。
いざというときのために無料の振替制度があると安心です。
⑦個別指導の講師:お子さまに合わせて選べる?無料で変更できる?
個別指導の場合、お子さまと相性の良い講師に長く教えてもらえたほうが、お子さまのモチベーションや学力もアップしやすいです。
そのため、常に同じ講師が授業を担当してくれるかどうか確認しておきましょう。
同じ講師が連続して授業を担当する塾の場合、費用こそ高くなりがちですが、お子さまの性格や苦手を講師がしっかり把握でき、学習効率が上がりやすくなります。
一方で、もし講師との相性が合わないと感じたとき、講師の変更に対応してもらえるかどうかも大切なポイントです。
ほとんどの塾では無料で変更に対応してもらえるはずですが、なかには変更に時間がかかるケースや、一定回数以上の変更は受け付けなかったり有料だったりするケースもあります。
相性の良い講師をすぐに見つけられるとも限りませんので、講師変更の可否・振替可能回数などを確認しておきましょう。
⑧自習室:利用料や利用ルール・環境をチェック
ほとんどの塾で自習室は無料で利用できますが、どのような自習室が用意されているかは塾ごとに異なります。
お子さまに適した環境の自習室を無料で使うことができたらお得ですよね。
教室見学などで、実際の教室の自習室がどのようなスペースになっているかもチェックしましょう。
パーテーションで区切られている方が集中しやすい方もいれば、パーテーションで区切られていたり個室になっていたりすることで息苦しさを感じてしまう方もいます。
どういった自習室が集中しやすいかは、お子さまによって異なります。
設備面はもちろん、
- 自習したいと思ったときにいつでも使える席数が用意されているか
- 自習室の利用に時間などの制限がないか
- 授業のない日や土日でも使えるか
といった利用条件もしっかり確認しておくと良いでしょう。
⑨受験をサポートする仕組み:進路指導を受けられるかチェック
中学受験・高校受験・大学受験などに対するサポートの手厚さも、塾によって異なる点です。
持っている受験情報の質や提供できる情報の内容はもちろん、受験に関してどこまで塾からサポートしてもらえるかは、学習塾によって異なります。
費用の範囲内でどのような受験サポートが受けられるのか確認しておきましょう。
特に、受験対策を考えている場合は「進路相談」や「出願方法の戦略立て」を無料で受けられるかは念入りに確認しておきたいポイントです。
変化の激しい各入試に対して、1人ひとりに合わせた「合格までの学習プランづくり」「志望校への出願方法」などの進路指導をきちんと受けられるか、事前にチェックしておきましょう。
⑩ご家庭との連絡・定期面談:回数やタイミングは?
お子さまの塾での学習状況や、今後どのような方針で学習を進めていくか、といったことは保護者さまなら気になる部分ではないでしょうか。
費用内でできる定期面談の回数も、塾によって違いがあります。
保護者の方にとっては、定期面談が少ないと感じる塾も多いようです。定期的な連絡や面談の機会が設けられていると、安心して塾通いを続けさせることができますよね。
費用の範囲でこのようなサポートが可能かどうか、ぜひ確認しておきましょう。
学習塾の費用相場を知って、納得できる料金の塾を見つけよう
この記事では、学習塾の費用相場と、料金の差が生まれるポイントをご紹介しました。
塾にどのようなサービスや対応を求めるか、そして期待する成果が得られるかによって、適切な料金は変わります。
単純に相場の金額と比べるだけでなく、上記でご紹介した「10のポイント」を参考にして、お子さまの塾通いに「必要なもの」「不要なもの」を見極めてみてくださいね。
適切に受けられるサービスに対して、納得できる価格の塾を選びましょう。
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