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教育×ビッグデータが開く学習の新たな可能性

教育×ビッグデータが開く学習の新たな可能性
近年のIT化に伴い、企業を中心に、情報のデータベース化がますます進んできています(*)。こうした中、2011年ごろから新たに注目され始めたのが「ビッグデータ」です。今回はそのビッグデータの学校教育の現場、教育業界における活用事例について紹介し、その未来を考えてみたいと思います。

ビッグデータが教育を最適化する!

コンビニのポイントカードって便利よね。ポイントで買い物もできちゃうし。

私、いつも不思議に思っているんですけど、どうしてあれってあんなにお得なんですかね?リピート率が上がるからですか?

主人に聞いたんだけど、あれで人気商品とかを調べて、マーケティングに使うらしいわね。ほら、ポイントカードって個人情報が入っているでしょう?どんな年齢の人がどんなものを買っているとか、カードの情報を通して販売戦略を立てられるって言ってたわ。それこそ、店の特徴を客層で変えたりとかね。だから私たちにとっても企業にとっても、お得なカードってことみたい。

え、すごいですね!そんな仕組みがあったんですね!

そういえば近年、ビッグデータという言葉が注目されていますよね。

ビッグデータ?それってなんです?

まさにみなさんが今話していたようなもののことです。ビッグデータは、個人情報のような、膨大な情報を管理するデータシステムになります。わかりやすい例で言えば、個人情報の登録、そして情報の発信などができる、SNSが当てはまります。

どんどん新しい言葉も出てくるし、理解が追いつかないわ。

私もです。それにいろんなところでITの技術って使われていますもんね。意外と身近なところでたくさん使われているんでしょうね。

実は教育現場でも、そのビッグデータが使われようとしているんですよ。

え?どういうことですか?

紙からデジタルへと、少しずつ教育現場でもIT化が進んでいるんです。そしてビッグデータを使えば、お子さんの学習記録を、スマートフォンなどの情報端末を通じて集め、保管できるようになるんです。

それは知らなかったですわ!情報を保管して、そこからどういうことができるんですか?

そのデータを分析することで、生徒1人ひとりに合わせて最適な指導ができたり、教材を開発することなどもできたりするんですよ。今までは紙の教材を使った学習が中心でしたが、データ上で学習することで、学習状況をリアルタイムで取得、分析することが可能になるんです。

何だかすごそうですね。でも実際、紙の学習で育ってきた私たちからすれば、あまりうまく想像できません。

それは私も同じですから、よくわかります。スマートフォンが普及して、お子さんのオンライン上の行動について細かなデータ分析できる状況になってきたことも、教育でのビッグデータ活用を後押ししているようです。

時代ですね。便利になっていくんですね。

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教育現場でのビッグデータの活用事例

実際、現在はどんなかたちで教育に生かされているんですか?

例えば岡山大学は、岡山市内の公立中学校の全校生徒を対象にして、学習実験を開始しています。独自のスケジュールが組めるドリルを使い、生徒が問題を解いたらスキャナーで岡山大学にデータを送り、解析できる仕組みになっています。生徒1人ひとりが一定期間に、どの問題をどの程度身に付けたかが、正確に測定できるそうですよ。

へぇ!もう実際に始めているところもあるんですね!

今後、こういう動きは全国に広がっていくんでしょうか。

実際に総務省で現在、全国の学校向けにクラウドサーバーの整備を進めています。ここにデジタル教材を通して集まってくる、お子さんの学習記録を保管する機能も備わるようです。各地と連携しながら検証を進める計画みたいですね。

国まで動いているんだ。じゃあ、いよいよ本格的にビッグデータの利用が始まりそうね。

学校教育の可能性の幅も広がりそうですね。

教育業界でのビッグデータ活用と今後の展望

マスターは教育業界でのビッグデータについてどうお考えになりますか?

きっとすばらしいものになるのではないかと思います。お子さん1人ひとりの苦手や得意をデータで管理し、分析することで、今まで勉強が苦手だったお子さんにも合わせた学習アプローチが可能になりますしね。

どんな学習アプローチですか? 

すでに一部の学習塾も導入しているようですが、今までは先生や講師たちの主観も含んだ理解だった1人ひとりの得意や苦手が、客観的な数値データと比較することで明確になり、効率的な学習方法が見つかるのです。

ビッグデータを使えば、同じような成績データを持つお子さんが将来どんな成績の推移をしていったのかが見えるわけね。

まさにそのとおりです。ビッグデータを使いながら、塾の先生と話し合えば、きっとさらに効率のよい学習計画を作成することができると思います。もっといえば、〇〇高校や○○大学に合格した生徒さんのビッグデータと照らし合わせれば、きっと合格への道筋も明確になるでしょう。

なるほど。それは確かにいいですね。過去の合格した先輩たちと比べて、今の受験生本人が持つ課題点が明確になれば、塾や学校でも教えやすいかもしれません。

記録をとっていくのは、志望校の合格状況、成績の推移だけではありませんよ。お子さんの塾での宿題の提出率や自習時間、過去問を解いた時期や回数などを記録して蓄積していく試みも行われています。お子さんの学習プロセスを分析し、どうすれば成果につながる学習となるのか、さまざまな実証的な分析を行い、確かな根拠に基づいたアドバイスができるようにする試みも、先進的な大手学習塾では行われつつあります。将来的には、ビックデータを蓄積していくことで、お子さんの将来のつまずきやすい単元を予測し、早めの対策を打てるようになるのではないかと期待されています。

ビッグデータというと、のっぺりとした無味乾燥な数値の蓄積という感じもするけど、実は目指したい目標となる先輩たちの数値データを引っ張ってきて活用すると考えると、急に生きたデータという感じがするわね。

そうですね!何だか教育の幅がもっと広がりそうな気がしてきました。

まさにそのとおりですね。教育は長いあいだ、先生や講師たちの長年の勘による部分も多かったわけですが、やはり教育は客観性を持つ科学であるべきだと考えます。高度な情報処理ができる時代に合わせて、教育も見えないところで進歩しているんですよ。

*この記事は2017年秋の調査・取材内容に基づいています。