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大学受験の仕組みとポイント 2018年版

大学受験の仕組みとポイント2018年版
大学入試は毎年変化しています。また、受験する大学や学部、推薦入試か一般入試かなどの違いによって、入試全体の流れが違ってきます。今回は、現状の大学入試の仕組みや全体のスケジュール、受験対策のポイントなどについて重要事項をまとめました。

大学入試本番は高3の夏にはすでに始まっている

美香さんはお子さんを大学進学させたいと思っているの?

はい。本人も大学には行きたいと言っていますし。でも、大学受験はわからないことだらけで、なかなかイメージができません。マスター、大学入試の仕組みや流れを基本から教えてもらえませんか。

まず大学入試の大枠からお話ししましょうか。美香さんは大学入試というと、なにを思い浮かべますか?

センター試験です。毎年、受験生がセンター試験に向かう姿がニュース映像で流れると、「ああ、大学受験が始まったな」という感じがします。

1月中旬の土日に行われる「大学入試センター試験」は、毎年50万人が受ける大学入試最大の試験です。国公立大学を受験する学生は、一部の推薦・AO入試を除いて、基本的に受験が必要です。私立大学でも、近年はセンター試験を利用した入試を行うところが増えていて、全体の9割の私立大で実施されています。私立大学でもセンター試験を利用するようになって、受験生は国公立と私立の併願がしやすくなりました。さきほど、美香さんは「センター試験が始まると、大学入試のシーズン開始」とおっしゃいましたが、実は大学入試はもっと前、高3の夏にはスタートしているんですよ。

え、そうなんですか?

大学入試全体のスケジュールを見ていきましょう。一番早く動きがあるのはAO入試です。だいたい出願が8月ごろから始まります。

あの、さきほどから出てくる「AO入試」とはなんですか?言葉は聞いたことがあるのですが、詳しく知りません。

国公立大学の入試には「一般入試」と「推薦・AO入試」があります。一般入試は、「センター試験+各大学で行われる二次試験」の合計点で合否が決まります。推薦・AO入試については、すこし特別な入試なので、後で説明しますね。

わかりました。

9月下旬には、センター試験の出願があります。出願期間は2週間程度です。

うちの子の受験のとき、高校から「センター試験の出願を忘れるな」と口を酸っぱくして言われたのを思い出すわ。

きちんと高校の先生が案内してくれる場合はいいのですが、そうでない場合は気をつけないといけませんね。うっかり出願を逃すと、センター試験が必要な大学・学部は受験できなくなってしまうので、取り返しがつきません。「夏が終わったらすぐに出願すること」と「夏のあいだに志望校を決定しておくこと」、この2点がとても大事です。

気をつけます。 

さて、11月上旬になると、推薦入試がスタートします。そして、年が明けて1月中旬にセンター試験の実施です。

センター試験の結果は、いつわかるんですか?

模擬試験のようにセンター試験の結果が返ってくることはありません。試験のあとに新聞上などで解答が発表されるので、自己採点を行って、得点を出すのです。その点数をもとに、どの大学・学部を受けるかを決めることになります。人気のある大学・学部は受験者数をしぼるために、ボーダーの点数で「足切り」をするところがあるので、どこに二次試験を出願するかの見極めが重要になってきます。

なるほど。

2月上旬からは私立大学の一般入試が始まります。センター試験を利用するかどうかによって、入試のスケジュールが変わってきます。

私立大学の入試が終わると、いよいよ国公立ですか。

はい。2月下旬に国公立大学の二次試験(前期日程)があります。3月上旬には、公立大学の二次試験(中期日程)と、国公立大学の二次試験(後期日程)があります。

後期日程までがんばるとすると、進路が決まるのは3月中旬だから、約半年間、受験シーズンが続くのね。

そういうことになりますね。受験シーズンというと、1月から3月の冬場をイメージするかもしれませんが、このように夏には受験は始まっています。「秋になってから」などのんきに構えていると、失敗してしまう可能性が高いので気をつけてほしいです。そして、場合によっては長丁場になることもあるので、体調管理にも気を配りましょう。

ぜひ押さえたい、センター試験と二次試験の攻略ポイント

やはり大学入試では、センター試験が大事なのですね。

センター試験を制すれば志望校合格が一気に近づくという意味で、受験生にとってセンター試験の攻略がカギになります。

センター試験について、もっと詳しく知りたいです!

わかりました。センター試験の中身ですが、科目は国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科30科目があります。科目によって、配点や試験時間が違います。受験生はこの30科目のなかから、最大8科目(理科①を選択した場合は9科目)を選んで受験することになりますが、どの科目を受験するかは、志望する大学・学部によって異なります。

試験はマークシート方式で行われるのですよね?

おっしゃるとおりです。マークシートは機械で読み取るので、速く正確に塗りつぶす練習をしておくことが大事です。出題される内容は、教科書に沿ったものになります。難問奇問といわれる問題は出ませんが、必死に勉強してきた受験生がようやく平均点6割に達する試験です。学力トップ層のお子さんといえども、センター試験対策はおろそかにできません。

わかりました。

では、次に二次試験についてです。二次試験は、大学独自の問題に取り組むことになります。

さっき国公立大学の一般入試は「センター試験の得点」と「二次試験の得点」の合算で決まるとおっしゃいましたが、それぞれの比率はどうなるのですか?

両者の比率は、各大学・学部によってまちまちです。センター試験の配点が大きいところ、二次試験の配点の大きいところ、両者同等などがあります。センター試験の自己採点をしてみて、その得点が高ければ、センター試験の比率が高い大学・学部を受験するのがやはり有利でしょう。いまひとつならば、二次試験の比率の高い大学・学部で挽回をはかる作戦を立ててもよいかもしれません。そんなふうに、センター試験の結果によって二次試験をどこに出願するかが変わってきます。

センター試験の自分の持ち点によって、戦略が変わってくるのね。

戦略を考えるときに、もう一つ重要なのが試験の日程です。国公立大学の二次試験は、試験日と募集人員を前期・後期に分けて行う「分離・分割方式」がとられています。公立大では、前期と後期のあいだに中期日程をもうけているところもあります。受験生にとっては2回チャンスがあるので、前期で不合格でも後期日程でリベンジすることは可能です。

でも、できれば前期日程で合格したいところよね。

後期日程は前期日程より募集枠が小さいことが多いので、高倍率になりやすいですからね。それに、前期日程しか行わない大学もあります。しかしながら、後期日程は出願者ばかり多くても、実際の受験者が少ない場合もあります。「ふたを開ければ意外なチャンスだった」という場合もありますので、ぜひ果敢にトライしてみてください。

二次試験の攻略ポイントはありますか。

その大学の出題傾向を把握することが第一です。前期日程では2~3科目、後期日程では1~2科目を実施するところが圧倒的に多いので、科目をしぼって集中的に追い込みをかけましょう。過去問題集を解いていくと、その大学の出題のクセや合格ラインがわかってくるはずです。二次試験ではいわゆる難問を出題してくる大学も多く、満点をねらうことは現実的ではありません。つまり、確実に得点すべき問題と、見切りをつけるべき問題との見極めが大事になってきます。これも過去問を解いていくとわかってくるでしょう。

はい。

【詳しくは過去記事もご参照ください】
■いまどきのセンター試験はどうなっている?気になる内容を解説
https://www.kobetsu.co.jp/cafeducation/news/article-262.html
■センター試験で高得点をねらう方法と大学入試の変化
https://www.kobetsu.co.jp/cafeducation/gakushu/article-254.html

私立大の一般入試と推薦・AO入試について

では、私立大学の一般入試に話を移しましょう。私立大学の入試でもっとも一般的なのが、独自方式でしょう。センター試験を利用せずに、大学で個別に入試問題を解くというものです。学部ごとに試験日を設けたり、複数の日程を設けたりしていますし、中には試験日を受験生が自由に選択できる「試験日自由選択制」、地方の受験生が受けやすいよう大学以外の場所で試験ができる「学外試験会場」などもあるので、一般的に併願しやすい入試形態となっています。そのほかに私立大学の一般入試には①センター利用方式、②センター・独自併用方式などがあります。
① 「センター試験のみ」で合否を判定する。私立大学の9割がこのパターン。
② 「センター試験2科目+各大学での独自試験1科目」のように組み合わせで選抜する。

センター試験だけで合格がもらえるなら、センター試験利用方式のほうがいいのかしら。

いや、そうでもないのです。出願するだけで合格がもらえるのはメリットですが、一般的に合格最低点は高めに設定されています。独自方式とセンター利用方式だったら、ほとんどの場合においてセンター利用方式のほうが合格難度は高いと言えるでしょう。

だったら、センター利用方式でおさえの学校に合格をもらっておき、第1志望の学校に集中するのはどうかしら。

まさにご名答です。実際にはそういった考え方で出願する受験生が多いようです。次に、国公立大学の推薦およびAO入試についてです。推薦入試には、①指定校制推薦、②公募制推薦の2つがあります。それぞれ以下のような違いがあります。
① 大学側から指定された高校に通う生徒さんのみが出願できる。
② 出願条件を満たしていれば出願可能。さらに学校長の推薦が必要な「一般公募制推薦」と、自分で自分を推薦する「自己推薦」がある。

AO入試は、推薦入試とはまた違うのですか。

AO入試は、大学側が求める学生像に合致した学生を選抜するための入試制度です。夏休み前後にエントリーシートに志望理由や自己PRを書いて大学に提出したり、論文や面接で意欲をアピールしたりで審査を受けます。

自分の特性と合致すれば、より才能が伸ばせそうですね。

特別な強みを持っている、あるいは学びたいことがすでに明確な高校生にとっては魅力的な入試方法といえますね。ただし、大学受験は毎年変化があります。最新の情報を見守ることが大事ですよ。

そういえば、大学における「2018年問題」というのをこの前雑誌で見ました。

2018年に18歳人口が再び減少に転じて、大学の経営を圧迫することが予測されている問題ですね。大学経営の厳冬期を迎えていて、いかに生徒募集を増やすかが課題になっています。

郊外型キャンパスから、交通の便のよい都市部キャンパスへの移転が加速しているそうね。

昭和の終わりに490校だった大学が、現在は約780校まで増えているんですよ。これから統合・縮小の動きや学部の移管などの動きは避けられないでしょう。そのなかで、大学は社会人教育や生涯教育などにも力を入れるケースが増えてきています。

大人になってからの「学び直し」の場としても、大学の役割が広がっているんですね。

大学のあり方そのものが変化している時代なので、入試制度もどんどん変わっていくことが予想されます。ですから、最新の情報を正しくキャッチすることが何より大事です。今後の動向については、文部科学省の発表資料や新聞報道などをみるとよいでしょう。

受験勉強についても対策が必要ですよね。

将来の受験を先取りしての対策が必要になります。そうなると、個人での対策は限界があるかもしれませんね。専門的な知識と分析力が必要になってきますし、志望校にしぼった指導が大切です。そういう点では、個別指導塾は理想的といえます。

自分に合った大学や入試方法を選んだり、それに見合った勉強の戦略を立てることが大事ということがわかりました。息子の大学受験までは充分時間があるので、じっくり本人と話し合っていきます。

【こちらの過去記事もご参照ください】
■指定校推薦の面接対策をしよう
https://www.kobetsu.co.jp/cafeducation/gakushu/article-227.html
■推薦入試】面接での自己PRのポイント!準備や注意点は?
https://www.kobetsu.co.jp/cafeducation/news/article-236.html
■AO入試をわかりやすく!AO入試とは?
https://www.kobetsu.co.jp/cafeducation/gakushu/article-226.html