「塾をやめたい」と言う子どもの心理状況は?

「塾をやめたい」そう発するお子さまは、一体どんな気持ちなのでしょうか?
子どもの気持ちは十人十色、一人ひとり抱える悩みは違います。ただ、それぞれお子さまの年齢や環境で抱えやすい共通の悩みは存在します。

体力的に辛そうにしているなら……

  •  部活と塾の両立が辛い
  •  塾と学校の宿題に追われて、休む時間がない
  •  通塾時間や距離で体力的に疲弊している

コミュニケーションに悩んでいるなら……

  •  先生との相性が良くない
  •  塾に仲のいい子がいなくてつまらない
  •  塾のクラスで浮いており、居づらさを感じている

勉強で悩んでいるなら……

  •  塾の授業スピードやカリキュラムが合わないと考えている
  •  「自分には他の勉強法が合っているのでは?」と考えている

……など

お子さまを思い浮かべつつ、どの状態に近いか考えてみてください。そして保護者さまとお子さまが、お互いに落ち着いて話ができる環境をまず整えましょう。

 

親が取るべき対応と先輩母たちの解決例

親に対して信頼関係が築けていないと、子どもは弱音を吐くことができません。
お子さまの心境を想像しつつ、保護者さまも以下のような心構えと環境を整え、話し合う時間を設けてみてください。

  • コミュニケーションを取るいい機会だと捉える
  • 気持ちを素直に伝えてくれたことへ感謝を伝える
  • 感情的な口論にならないよう、静かな場所で隣り合って話す
  • リラックスして話すために、温かいお茶やコーヒーを飲みながら話してみる

お子さまが今辛い気持ちを告白してくれているのは、保護者さまを信頼しているからです。お子さまがどんなSOSを発しているのか、話し合うことでしっかり向き合い、解決へと導いてあげてください。

 

①なぜやめたいか?理由を聞く

「塾をやめたい」と言われたら?先輩母たちが実践した5つの解決例-1

まずは、なぜ塾をやめたいのか、理由をじっくり聞いてみましょう。
この時、「もう少し続けた方がいい」「やめてはいけない」と頭ごなしに否定するのは、勇気を出して話したお子さまの気持ちを折ってしまうことになりかねません。
子どもにとって、親に習い事をやめたいと告白するのは大きな勇気がいることです。その理由を詳しく聞く前に否定してしまうと、お子さまは大きなショックを受けて、貝のように心も口も閉ざしてしまうかもしれません。

中学3年生の息子を持つ先輩ママAさんは「今の塾で辛いポイントは、授業形式/人間関係/環境のどれなのか一つずつ聞いて話し合いました」
と、まず辛いと感じている部分を具体的に洗い出すことで、「辛いからやめる」といった選択ではなく「辛い原因をつきとめて、対処できないか考える」という前向きなサポートをしたことで、お子さまの気持ちを楽にしてあげることができました。

辛いと感じていることには必ず原因があるはずです。保護者さまがその原因に前向きに向き合うことで、「辛さから抜け出す方法はやめるだけではない」という可能性に気づかせてあげてください。

 

②塾に通い始めてからの成果や経過を褒める

「塾をやめたい」と言われたら?先輩母たちが実践した5つの解決例-2

お子さまに塾をやめたいと言われたら、思うように成績が伸びなかったり、成果を感じられなかったりするなど、勉強のことで自信を失っているのかもしれません。
そこで「部活が大変だけど、塾に休まず通えているね」「机に向かって勉強する時間が増えたね」「塾に通っているから、成績もキープできているね」など、通っている意味付けをしてあげましょう。

中2の娘を持つ先輩ママBさんは「親は“通って当たり前”という態度を取らないこと。うちの娘は、褒めて承認欲求を満たしてあげたことで、塾へ通うのが楽しくなったようでした。実は話を聞いてもらいたいだけのパターンも多いと思います」
と、褒めるハードルを下げ、時にはできて当たり前だと保護者さまが思うようなことでも具体的な事実を元に褒め、お子さまのやる気を引き出すことで、問題を解決に導くことができたと言います。
中学生以上のお子さまであれば気持ちも体も徐々に大人へ近づいているので、成果を褒める、プロセスや行動を褒めるなど、お子さま性格に合った褒め方を心がけてみてください。
お子さま自身が「少しずつでも前に進んでいる」という感覚を持つことができれば、塾に対して抱いていた消極的な気持ちを、前向きな気持ちへ変えるきっかけになるかもしれません。
やめたいという悩みを解決するだけでなく、勉強へのやる気を引き出すためにも、小さな成果でもたくさん具体的に褒めてあげてください。

 

③家庭での勉強法を見直してみる

「塾をやめたい」と言われたら?先輩母たちが実践した5つの解決例-3

塾をやめたいと言っていても、実は家庭学習につまずいていた、という可能性もあります。

高校3年生の娘を持つ先輩ママCさんは、「塾のテキストを見せてもらって、進み具合や本当はどこがわかっていないのか教えてもらいました。場合によっては親から塾の先生に相談した方がスムーズなこともあるので、親も任せきりではなく、どんなサポートを子どもが欲しているかを確認しました」
と保護者さまが積極的にお子さまの学習内容を把握することで、問題解決の糸口を掴みました。
学習の成果は、塾での学習と家庭学習が連動してこそ出るものです。そのため、もし思うような成果が上がらずお子さまが悩んでいるなら、家庭学習と塾での学習の連動がうまくいっていない可能性があります。
このような場合は、保護者さまとお子さまが、悩んでいる部分を塾と一緒に話し合うことで課題が整理でき、よりよい解決方法が見つかるかもしれません。

家庭での学習は、集中力が乱れないように机の周りを整理したり、25分ごとに5分休息して緩急(けじめ)をつけたりするなど、小さな変化で改善する可能性もあります。
もし家庭学習のつまずきに関して、具体的な解決案が浮かばない時は、塾の先生に相談するほうが良いでしょう。

 

④将来なりたい大人像を話し合う

「塾をやめたい」と言われたら?先輩母たちが実践した5つの解決例-4

お子さまは将来どんな職業につき、どんな生活を送りたいか?どんな大人になりたいか?改めてお子さまと話し合いましょう。
“学問は身を助ける”という言葉もあるように、どのような道に進むのであれ、勉強することが将来の足かせになることはありません。

高2の娘を持つ先輩ママDさんは「はっきりとした目標がなくても、選択肢は多いに越したことはない。そのために教養豊かな人が集まる大学に行くのは楽しいし、就職先も選びやすくなる」とお子さまに伝えたそうです。
同じく高2の息子を持つ先輩ママEさんは「うちは父親と話すのも効果的でした。ビジネスマンにはどんなタイプがいるのかを説明し、どんな人になりたいか?こんな人になりたいなら、こんな進路を選ばなきゃ、と図解にして話してみたら、子どもも納得して熱心に塾へ通い始めました」と語ってくれました。

まだ中学生・高校生のお子さまが、将来なりたいものや目指す人を明確に決めることは、なかなか難しいものです。
そこで、保護者さまがお子さまと共に話し合ったり、調べたりして、お子さま自身の中でぼんやりしていた目標や夢をいっしょに言語化していくことで、お子さまが勉強や通塾に意味を感じられるようになるでしょう。
通塾の悩みに関わらず、お子さまの夢を知ることは、子どもの成長を知り、将来の夢実現の手助けとなるヒントを得る大切な時間になります。ぜひこの機会に、お子さまが抱く夢や目標を聞いて一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

 

⑤塾に通う明確な目的を共有する

「塾をやめたい」と言われたら?先輩母たちが実践した5つの解決例-5

お子さまのなりたい人物像や進路が見えてきたら、そのために何をするべきか話し合いましょう。

例えば、高3の息子を持つ先輩ママFさんは「○○になりたいなら、大学はA校かB校を視野に入れよう。そのために、塾では英語をより強化しよう。まずは対策法を塾の先生に聞いてみようか?」と目的を明確化し、そこに至るステップを親子で考え共有することで、塾へ通う意味をお子さま自身に再確認してもらうことができました。

自分のやりたいことの実現のために通塾する、という目的意識の変化は通塾へのモチベーションアップに繋がります。
塾をやめたいと悩んでいるお子さまには、お子さま自身がワクワクする将来を見つめなおし、そこに行きつくためにはどうしたらいいのか?を保護者さまと話し合う場を設けてみましょう。今の学びが将来につながっていると気づくことで、学習のモチベーションも上がっていきます。
将来の実現のために、塾のやり方が効果的でないと感じるなら、まずはカリキュラムの見直しや講師の変更相談、サポートの強化などを塾に相談してみてください。

 

塾に相談するのも解決のヒント!

「塾をやめたい」と言われたら?先輩母たちが実践した5つの解決例-6

塾をやめたいという気持ちを共有して話し合うのは、保護者さまにとってもお子さまにとっても、問題解決のために欠かすことはできません。
ただ、勉学に対してやる気を失っていたり、思春期で保護者さまに素直な気持ちを打ち明けられなかったりする場合もあるかもしれません。
また、どんなに冷静に話し合おうと考えていても、親子の近い関係性では、時にはお互いが感情的になり、うまく話し合いができないことも少なくありません。

そんな時にこそ、早期から塾に相談し、親子双方のコミュニケーションをスムーズにしてもらうのもおすすめです。
お子さまと年齢の近い講師が間に入ることで、お子さまは保護者さまへ気持ちを伝えやすくなります。保護者さまも、講師をクッションとして挟むことで冷静になれ、お子さまのためになる選択肢を親子が前向きに検討し合うことを期待できます。

特に、具体的なカリキュラムの軌道修正や授業内の悩みは、専門家である塾や講師に相談することが問題解決の近道となります。保護者さまが勉強のアドバイスをしても、聞き入れないお子さまは多くいらっしゃいます。それはお子さまが保護者さまを勉強の専門家だと思っていないからです。
そのため、勉強に関するアドバイスは塾の先生から行ったほうがスムーズで効果的なケースが多いです。
連絡手段は電話でもいいですし、定期面談を設けている塾は、その際に納得できるまで話し合ってみてくださいね。

もし、現在通っている塾に物足りなさを感じる場合は、視野を広げる目的で、他の塾の体験授業や学習相談に一度訪れてみるのもいいですね。塾によって雰囲気はさまざまなので、お子さまにとって居心地のいい環境が、案外近くにあるかもしれません。

保護者さまだけで難しい問題を抱え込むのではなく、教える専門家である塾や講師と連携したサポートで、お子さまの学習や夢の実現を支えてみてはいかがでしょうか。

 

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