英語のリスニングは、検定試験でも大事な得点源!

保護者

そういえば、リスニングの学習って中学校でもあまり時間を割かないわよね。やっぱり文法に時間がかかるから、後回しになるのかしら。

保護者

私も不思議に思っていました。まずは文法が大事ってことなんでしょうね。リスニングは文法がある程度身についてからでも遅くないし、そんなに急いでやる必要もなさそうですよね。

教室長

それは少し危険かもしれませんよ。リスニングは後回しにしがちですが、実はそれが将来、英語学習の足を引っ張ってしまうかもしれません。

保護者

どうしてですか?

教室長

その前に、まずみなさんは、英語力の測定試験と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?

保護者

英語検定とか、TOEICです。

保護者

知り合いのお子さんで、アメリカに留学する子がいるんですけど、その子はTOEFLっていうのを受けていた気がします。

教室長

そうですね。有名な試験では、そのあたりの名前が挙がってきますね。ではそれぞれの、リスニングの点数配分はご存じですか?

保護者

知りません。

教室長

英検では級にもよりますが、現在約4割がリスニングです。さらにTOEICではリスニングとリーディングで100問ずつになるので、割合はおよそ半分になります。さっき言ってくださったTOEFLは留学用の試験になるのですが、ここでもリスニングは他のセクションと同じ配点となっています。

保護者

つまりリスニングができないと、合格が厳しかったり、高得点が望めなかったりするわけですね。

保護者

リスニングって重要なんですね。でもそれって英検以外は、高校生や大学生たちが受ける試験という気がします。英検以外に中学生向けのものってありますか?

教室長

それであれば、ベネッセが行っている「GTEC for STUDENTS」がいいかもしれません。これは聞く・読む・書くの3技能を測る、スコア型の英語テストで、中学生や高校生が主な対象です。ここでもやはりリスニングが重視されています。客観的な英語力が技能ごとにわかるので、中学生はぜひ受けてみるとよいですよ。

保護者

高校生に特化した試験はあるんですか?

教室長

高校3年生向けとしては、「TEAP」という上智大学と日本英語検定協会が共同開発したテストがあります。これは大学での学習や研究に必要な英語能力を測るためのテストで、ここではリーディング60問に対して、リスニングは50問と比重が大きくなっています。

保護者

どれも難しそうですね。

教室長

だからこそ中学生のうちに土台をつくっておくのです。大人になってから英語の勉強を始めると、過去の経験からどうしても英語へのニガテ意識がつきまといます。しかし、中学生は違います。これから勉強を始めるからこその驚きや発見がありますし、リスニングも、初めて理解できた時は大人以上の楽しみを感じるでしょう。

保護者

中学生こそ、リスニングなんですね!

聞き取りにくい単語や言い回しを知ろう!

保護者

ちなみに聞き取りにくい英語ってあったりしますか?

教室長

まずは発音が似ている単語でしょう。例えばfather(父)やfurther(遠くに) 、 bus(バス)やbath(お風呂)などがありますね。特に後者のようなthの発音は、日本にないものなので、聞くときだけでなく、話すときも間違えやすくなります。

保護者

ほかにも聞き取りにくい英語ってありますか?

教室長

たくさんありますよ。意外と多い間違いが、can(できる)とcan’t(できない)でしょう。英語では、否定形を短縮する時、notの音が聞きづらくなりますので、注意が必要ですね。

保護者

私は、1つ1つ区切って発音してくれたらいいのにって、よく思います。

教室長

それもありますね。英語では、例えばget up(起きる)のように、熟語になると続けて発音する言葉がたくさんあります。この場合なら、tの発音がなくなるので、聞きづらくなるんでしょうね。

保護者

たくさんありすぎて不安です。

英語が聞き取れない人は、最低限これだけは押さえよう!

保護者

リスニングに、テクニックのようなものはないんでしょうか?

教室長

もちろんありますよ。まずはメモを取ることです。聞き取った単語をすばやくメモしておきます。特に時間や場所、物や人の名前などは要注意ですね。

保護者

今言った、時間を聞き取るためには、whenなどの5W1Hに注意すればよさそうですね。

教室長

そのとおりです。とにかく最初は5W1Hを聞き分け、それに伴いそうな単語を聞き取ることです。また、数字にも要注意です。リスニングの中には、読まれた文章の中で、何かが減ったり、増えたりする内容もあります。この時に自分で計算しないといけないものもあったりするんです。

保護者

じゃあ、数字はたくさん覚えないといけませんね。

教室長

ええ。特に万を超える数字は、早くに覚えた方がよいですね。中学生のうちはそれほど出ませんが、検定試験などでは目にする機会も多いでしょう。時間がある時に、家庭や塾で覚えるのがおすすめです。

保護者

ちなみに、万を超える数字って表現方法が特殊だったりするんですか?

教室長

英語は100でone hundred。1000でone thousandとなりますが、万になると、ten thousandになります。例えば12万6千だと、one hundred twenty six thousandになりますね。100万でようやくone millionという別の表現が出てきますが、数が大きくなるほどややこしいので、リスニングでは注意してください。

保護者

今日はリスニングの大切さがよくわかりました。でも最近は、英語教育も活性化されてきたって聞きますし、学校教育に任せておけば安心ですね。

教室長

いえ、実はまだまだ活性化されていないんです。先日、文部科学省が英語の4技能(聞く・話す・読む・書く)を見るために、中学3年生を対象に学力調査をしたというニュースが、2016年2月の日経新聞に出ていました(※)。

保護者

どんな結果だったんですか?

教室長

政府の目標としては、英検3級程度以上の学力を持つ生徒の割合を、2017年までに50%以上にするというのが目標なんです(※)。ただ現段階では、それが2〜4割だったようですね。しかも4割以上の生徒が英語に対して、マイナスのイメージを持っているようです。

保護者

そんなに!それは深刻な問題ですね。実際、50%というのは、現実的な数字なんでしょうか?

教室長

あくまで私見ですが、今の学校教育では、高い目標なのかもしれません。だからこそ、学校によって多様な英語のプログラムが展開されているんでしょうね。

保護者

学校の教育だけに任せるのではなくて、子どもが理解していないところやニガテなところの穴埋めは、親が手伝ったり、学習塾という学びの場所を提供したりして、解決していかなければいけませんね。

教室長

そうですね。英語教育はまだまだこれから発展していくでしょう。今おっしゃったように、学校や塾をうまく活用していくことが大切になりますね。

(※)参考:中3英語力、国の目標遠く 英検3級程度は2~4割(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG01H64_S6A200C1CR8000/