第3文型と第4文型の区別・書き換えについて

保護者

どうしたの?そんなに落ち込んで。

保護者

この間、中間テストがあったじゃないですか。うちの子、和訳がボロボロで…。学校の先生にも「基礎ができていない」って言われちゃったんです。

保護者

和訳の基礎ができていないということは、文型がきちんと理解できていないんじゃないかしら。

保護者

文型?

教室長

主語、動詞、目的語、補語の組み合わせのことですよ。主語はS、動詞はV、目的語はO、補語はCと呼びます。

保護者

昔、教科書で見た覚えがあるかも。

教室長

文型は英文の骨組です。骨組がS+Vの文章は第1文型、S+V+Cの文章は第2文型、S+V+Oの文章は第3文型、S+V+O+Oの文章は第4文型、S+V+O+Cの文章は第5文型と呼びます。たとえばこの文章を見てみましょう。すべて中学生で習う内容ですよ。

 

【例文】
The boy living in Tokyo gave a flower to a girl.

保護者

ちょっと複雑な文章ね。その男の子は東京に住んでいて…よくわからないわ。

教室長

そうですね。S、V、Oといった骨組のほかに、たくさんの修飾語、つまり飾りがついているからなんです。まずはこの文章を、骨組と飾りに分けてみましょう。骨組部分には下線を、飾りの部分には括弧をつけますね。

 

【例文】
The boy (living in Tokyo) gave a flower (to a girl).

保護者

これはThe boy=S、gave=V、a flower=Oだから、第3文型の文章ね。

教室長

そのとおりです。括弧の部分を取り除いて読んでみるといかがですか?

保護者

だいぶスッキリしましたね!「その少年は花をあげた」っていう文章になるのかしら? 

教室長

ご名答です。ちなみに英語の修飾詞は前の名詞や動詞を修飾するので、以下のような和訳になります。

 

【例文】
(東京に住む) その少年は 少女に 花を あげた。

保護者

でも、括弧をつけるかつけないかはどうやって見分ければよいのかしら?

教室長

S、V、O、Cには以下のようなルールがあります。また、修飾部分についても一定のヒントがあるんですよ。

 

S:名詞。文のはじめに来ることが多い。
V:動詞。Sのすぐ近くにあることが多い。
O:名詞。
C:名詞、形容詞。第1文型ではS=C、第5文型ではO=Cとなる。
修飾部分:前置詞のあとに来る部分や副詞などが多い。

 

 

これを踏まえて、もう1つ例文を見てみましょう。

 

【例文】
The boy living in Tokyo gave a girl a flower.

 

 

まずは括弧に入れられるところを探すとよいですよ。

 

【例文】
The boy (living in Tokyo) gave a girl a flower.

保護者

名詞と動詞だけになってわかりやすくなりましたね。

保護者

動詞のあとに名詞が2つ続く可能性があるのは、SVOOの第4文型か、SVOCの第5文型だけですよね。

教室長

そのとおりです!これで文型の種類がしぼれましたね。あとは、O=Cになっているかいないかで、第4文型と第5文型を見分けられます。

保護者

女の子と花はイコールになりえないから、これは第4文型かしら。

教室長

ご名答です。以下のような和訳になります。

 

英語の文型を制す者は、高校受験を制す!-2

保護者

1つ目の例文と同じ日本語になるんですね!

教室長

そうなんです。第4文型の文章は第3文型の文章と書き換えられるものが多く、書き換えの問題もテストに出題されることがあります。

保護者

第4文型と第3文型の見分け方は、SVOOとSVOの骨組で見分けるとして、書き換えにはどう対処すればよいのかしら。

教室長

第4文型と第3文型で書き換えができる動詞はほぼ決まっているので、それをパターン化して覚えておくよいですよ。

 

 

【第4文型と第3文型で書き換えのできる動詞】
■前置詞to「~へ」「~に」を使う動詞
give, tell, send, teach, showなど
■前置詞for「~のために」を使う動詞
make, buy, get, find, cookなど

保護者

暗記がニガテなお子さんの場合はどうすればよいんでしょうか。

教室長

上の例を見てもわかると思いますが、第4文型から第3文型に書き換えられる場合、前置詞を使って修飾詞を作ることになります。そのことを頭に入れておくとよいでしょう。

 

 

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第5文型で押さえたいポイント

教室長

文型の中でも中学生がつまずきがちなのは第5文型です。第5文型では3つのポイントを押さえておくとよいでしょう。

 

【ポイント1】
O=Cになっていることを確認して、第4文型と区別する。
【ポイント2】
名詞はCになれないことを覚えておき、第4文型と区別する。
【ポイント3】
第5文型を作る基本的な動詞を覚えておく。

保護者

【ポイント1】についてはさっき見ましたよね。【ポイント2】と【ポイント3】についてはどうかしら?

教室長

以下の例文を見てみましょう。

 

【例文3】
The boy left his dog alone.

保護者

SがThe boy、Vがleft、Oがhis dogですよね。aloneはどうかしら?

教室長

aloneは形容詞なのでOにはなりえませんね。ということは……?

保護者

aloneがCで、第5文型かしら?

教室長

そのとおりです。これが【ポイント2】です。以下のような訳になります。

 

英語の文型を制す者は、高校受験を制す!-4

保護者

ちゃんとO=Cにもなっていますね。これは【ポイント1】でしたね。

教室長

ちなみにCが名詞の時にも【ポイント1】は役に立ちますよ。

 

英語の文型を制す者は、高校受験を制す!-5

教室長

最後に【ポイント3】の、第5文型になる動詞を紹介しましょう。

 

【第5文型になる動詞】
call「OをCと呼ぶ」、name「OをCと名づける」、find「OがCとわかる」、think「OをCと考える」、make「OをCの状態にする」、leave「OをCのままにする」、keep「OをCの状態に保つ」

へぇ~!となる文型のトリビアをご紹介!

教室長

ちなみに、ある1つの動詞がすべての文型になり得るというのもあるんですよ。

保護者

ええっ?

教室長

どんな動詞だかわかりますか?

保護者

見当もつかないわ。

保護者

なんだかややこしそう。

保護者

意外と、使い勝手のよい初歩的な動詞だったりするかもね。

教室長

よい推理ですね。その動詞とは、とても身近なmakeです。中には少し特殊な用例もありますが、次のとおりとなります。

 

【makeを使った例文】
■第1文型のmake「~へ向かう」
I made (for home).
S    V
(私は家へ向かった。)

 

 

■第2文型のmake「~の状態になる」
I make merry
S    V        C 
(私は陽気になった。)

 

 

■第3文型のmake「~を作る」
I made a doll.  
S    V        O
(私は人形を作った。)

 

 

■第4文型のmake「~のために~を作る」
I made my sister soup.  
S   V         O      O
(私は妹のためにスープを作った。)

 

 

■第5文型のmake「~の状態にする」
The news made me sad . 
       S            V      O     C
(その知らせは私を悲しませた。)

 

保護者

難しいかと思ったけど、ルールを理解してみればむしろおもしろいわね。

教室長

そういう気持ちをきっかけに、英語が得意になるとよいですよね。文型を見分けて和訳したり、第4文型と第3文型を正しく書き換えられたりするようになれば、高校受験でも役立つはずですよ。